辺野古訴訟、最高裁が26日に判決

 沖縄県がおこなった辺野古新基地建設の埋め立て承認撤回を取り消した国土交通相の裁決は違法だとして、沖縄県が裁決の取り消しを求めた訴訟で、最高裁は今月26日(3月26日)に判決を出すことを決めた。メディアは、弁論を開かずに判決を出すことを決めたことから、県敗訴の見通しだと報じた。玉城デニー知事は、判決が出てからコメントするとしている。

 最高裁が出す判決が国と沖縄県の係争にどう影響するか、注目されている。

軟弱地盤の改良工事にともなう設計概要変更申請問題について、県の幹部は、審査に影響はないとしている。軟弱地盤の中途半端な改良工事は、不均等沈下を起こし、滑走路は使えない代物しかできないと専門家は指摘している。安全性の問題、環境への影響などを審査する県として、沖縄防衛局が示している計画では、とても受け入れることはできないとみられており、厳格な審査を進める立場を貫くにちがいない。

 サンゴ移植問題では、沖縄県としては、「埋め立て承認撤回は有効であり、サンゴ移植申請を審査することはできない」とする立場をとってきた。判決が確定すれば、審査を進めることになるが、移植が、サンゴ保護の試験移植であることから、これまで沖縄防衛局が進めてきた移植が「サンゴの保護に資する」ものであったかどうか検証することが不可欠になるだろう。これまでの防衛局の報告を見ても、移植が成功しているとはいいがたい。

 仲井真元知事がおこなった埋め立て承認が法的に有効でだから、そのあとの沖縄県知事が埋め立て承認を取り消したり、撤回をすることは認められないと司法が結論付けても、環境を破壊し、生物多様性を喪失させることは認められないし、欠陥工事を進めることも認められないから、工事の設計変更やサンゴの移植問題で、沖縄県が国にたいしこれまで通り、厳しい態度で臨んでも、なんら違法性はない。