2016-09-01から1ヶ月間の記事一覧

歴史教科書に真実を 県民大会から9年

9月29日、那覇市の教育福祉会館で「9・29県民大会決議を実現させる会」主催の集会があった。大会から9年たつから、11万6000人が集まった大会であったことはすぐに思い出せても、その内容をつぶさに思い出すことはなかなかできないことだと思う…

高江オスプレイパッド建設差し止め訴訟(5)

さて、高江のオスプレイパッド工事は、どこまで進んでいるのだろうか。国は、2016年7月11日早朝、突如工事を再開した。機動隊約8 00人を動員し反対する市民を排除した上で、7月22日、N1地区工事に着手した。 (注:県警は、いまだに警備能力を明らかにでき…

高江オスプレイパッド建設差し止め訴訟(4)

訴状は、本裁判の核心であるオスプレイパッド建設について次のように主張する。 高江オスプレイパッド建設計画は、米軍北部訓練場の一部返還の条件として、 返還予定地にある既存ヘリパッド(ヘリコプター着陸帯)を東村高江に移設しようというものである。 日…

高江オスプレイパッド建設差し止め訴訟(3)

高江オスプレイパッド建設差し止め訴訟の訴状では、SACO合意の内容と合意の経緯、そして問題点について次のように整理している。 <SACO合意の問題点> 1995年秋、米軍用地強制使用手続の更新期に発生した米兵による少女暴行事件は、それまで沖縄県民の…

高江オスプレイパッド建設差し止め訴訟(2)

北部訓練場は、国頭村及び東村にまたがる沖縄県最大の演習場(施設面積:78,242千m2)であり、海兵隊の管理の下に、海兵隊の各部隊のほか陸軍、海軍、空軍の各部隊が対ゲリラ訓練基地として使用し、米軍唯一のジャングル訓練場となっている。 1957年(昭和32…

高江オスプレイパッド建設差し止め訴訟(1)

9月21日、高江住民33人がオスプレイパッド建設工事の差し止めを求めて、那覇地裁に提訴した。高江区の31人と国頭村安波区の2人である。横田達弁護士は「四つのオスプレイパッドが完成すると、騒音がひどくなり、日常生活に支障を来す。その前に、建…

辺野古判決と司法の反動化

「伊江島の米軍基地機能強化(4)」で、福岡高裁那覇支部判決(「不作為の違法確認訴訟」)の「都道府県すべての知事が埋め立て承認を拒否した場合、国防・外交に本来的権限と責任を負うべき立場にある国の不合理とは言えない判断が覆されてしまい、国の本…

伊江島の米軍基地機能強化(4)

伊江島の米軍基地機能強化についての続きを書く前に、今日の判決について少し書き留めておこう。「不作為の違法確認請求事件」である。 翁長知事は、判決要旨を読んで唖然としたという。県の敗訴というだけではなく、その理由づけ、裁判所の判断があまりにも…

伊江島の米軍基地機能強化(3)

高江での重機搬送は、民間会社から自衛隊に移ったものと思っていた。伊江村は、民間会社のヘリはすでに引き上げたといっていたからだ。ところが、14日付の琉球新報は、「自衛隊機による搬入は13日で終了したが、民間機による搬送は14日以降も続くとみら…

伊江島の米軍基地機能強化(2)

伊江島のLHD改修が出てきたのは2015年であろう。 米海兵隊が2015会計年度に予算要求した文書では、およそ次のような説明を書いている。 「MV22オスプレイ、F35攻撃機及び将来の海兵隊航空機の訓練及び作戦を支援する ため、伊江島にある上陸用…

伊江島の米軍基地機能強化(1)

伊江島補助飛行場(米軍)のLHD拡張工事が8月22日から始まっている。 LHDというのは強襲揚陸艦の甲板である。未熟なパイロットがいきなり洋上で着艦訓練を行えば、海に落ちてしまう危険があるので、陸上で、デッキと同じ大きさの着陸帯を設け、そこ…

「沖縄戦」控訴審始まる(5)

瑞慶山茂弁護団長の地裁判決批判のうち、2点に絞ってみておきたい。その一つは戦場体験によるPTSDについての判断回避と米軍が行った行為が国際法違反であることについての判断回避という点である。 〇沖縄戦の戦時・戦場体験に起因するPTSDなど外傷性精…

「沖縄戦」控訴審始まる(4)

瑞慶山茂弁護団長は、那覇地方裁判所の判決について、「戦争当時には国家賠償法が制定されておらず、戦争被害救済の実定法が存在しなかった」ことを棄却理由としているが、残虐非道を行った日本軍の行為には、国家無答責論を適用することは許されないと批判…

「沖縄戦」控訴審始まる(3)

「沖縄戦」訴訟控訴審第1回口頭弁論で瑞慶山茂弁護団長は、訴訟の目的について、次のように述べた。 沖縄には昔から「命どう宝」という至言があります。人の命は何よりも尊いもの、至宝であるという意味です。先のアジア太平洋戦争末期における「沖縄戦」に…

「沖縄戦」控訴審始まる(2)

沖縄戦で父・母・兄弟姉妹5人を亡くし1人だけの孤児になった金城さんの話は続く。 陸軍病院を出た後、さらに南へ。東風平あたりで母と二番目の姉、妹、弟が民家に入ったとき、爆弾が落ちた。金城さんと一番上の姉、叔父さん、叔母さんは近くの豚小屋に飛び…

「沖縄戦」控訴審始まる(1)

「沖縄戦」被害・謝罪及び損害賠償請求控訴審が、きょう(9月6日)から福岡高裁那覇支部で始まった。地裁判決は、請求棄却の不当判決で、被害事実の認定も形ばかりで、おざなりのもの。「絶対に勝つと思っていた」という原告ら。高齢の体に鞭打つように歯…