普天間基地から流出したPFOSに関する防衛相会見

 

 普天間基地のPFOS流出問題について河野防衛相は14日、記者会見で米軍に立ち入りを求めていることを明らかにした。

 

Q:PFOSに関連です。先週金曜日に普天間飛行場からPFOSを含む泡消火剤が流出した件について、大臣の率直な受け止めと防衛省としての対応について教えて下さい。

A:かなりの量が流出をして地元の消防署その他回収に御尽力をいただいたと聞いております。関係者にお礼を申し上げたいと思います。防衛省自衛隊としましては、補足協定に基づいて、基地への立入りを求めているところでございますので、今、米軍の方で流出の原因その他調べているところでありますが、防衛省自衛隊としてもしっかり対応して参りたいと思います。

Q:立入りを求めるとは、具体的にはこれまで要請が沖縄県などからでている水質調査などについても視野に入れているという理解でいいでしょうか。

A:とりあえず今回の件について補足協定に関連して立入りを求めているところです。Q:立ち入りの件を要望、要請しているということですが、それに対する今のところの返答、反応はありますでしょうか。

A:まだ聞いていません。

 

 会見では、流出事故について防衛省は米軍からどのような説明を受けているのかも聞かれた。

 

Q:PFOSの関連で、泡消火剤流出の関連ですが、今、防衛省として、どれくらいの量が流出したのか説明を受けているのかという点と、今、切替えを進めているとのことですが、具体的にいつ頃までに切替えをするか、米軍側から説明を受けていますでしょうか。

A:流出量については、米軍と推定をしているところでございますので、およその数字が分かりましたら、しっかり申し上げたいと思います。在日米軍、PFOSから切り替えるとのことでしたが、米軍全体としてPFOSではなくPFASそのものから替えるというような話も出ておりましたので、PFOSから他のPFASに替えるとまた替えないといけないということもありますので、そこは在日米軍とどういうふうにするか、我々としては切替えの促進をしたいと思いますので、費用の件その他含めてしっかり相談をしていきたいと思います。PFASから切り替えると中々ものがないというのが現実で、今いくつか日本企業にもこのPFASに代わる消火剤の開発をお願いしているところでございますが、まだ少し時間がかかるのかもしれませんので、そこを待っているといつまでもPFOSが残るということになりかねませんので、できればまずPFOSから他のものに切り替えることができるのか、そこはしっかりと詰めていきたいと思います。

 

 米軍が基地外に流出したPFOSの回収を行っていないことについて、沖縄県民の批判が高まっていることも問題になった。

 

Q:今回、流出事故に関して、地元の宜野湾市長も、基地の外に流れた泡について、米軍が効果的な対応をしなかったということで、抗議の意を表明しているのですが、今回の米軍の対応について、大臣としてはどのように受け止めていらっしゃいますでしょうか。

A:地元の消防署始め、多くの方が回収を行っていただきまして、感謝申し上げたいと思います。米軍として再流出を防止する、あるいは基地内で回収をすることに追われていたということでございますが、これだけの量が外に出ておりますので、そこは米軍にしっかりと対応してほしかったと思っております。防衛省としては、公園、遊具、砂場にもかかったということですので、それについては、防衛省の方で速やかに対応して、費用を後で米軍に払ってもらうなり何なりとは考えたいと思いますが、やらなければいけない対応は速やかに防衛省として対応していきたいと思います。

 

 PFOS流出後、沖縄防衛局職員が普天間基地に入って米軍から説明を受けたが、汚染土壌および地下水を採取して、汚染実態を掌握することをしていない。防衛省が今回の事件で抗議したことは一応評価したいが、被害実態を把握しなければ、問題解決への一歩は始まらない。大量のPFOSが土壌に沁み込み、それが時間をかけて周辺の河川に、そして海に流出し、深刻な環境汚染をひきおこす。そうならないよう対策を立てるためには、本格的な汚染調査が求められる。