2014-04-01から1ヶ月間の記事一覧

イトムカ水銀鉱山における中毒症研究の系譜

日本における水銀中毒症に関する事例報告・研究報告は、1906年以降、30ほどあるという。なかでも昭和29年の橋場によるイトムカ鉱山の水銀中毒に関する報告は当時の研究水準からみて第1級のものだったと、岸玲子・福地保馬は「イトムカ水銀鉱山における水…

地崎組は1944年11月、朝鮮人2065人、中国人998人を使役した

地崎組「11月分労務者使用状況報告」(1944年)によると、地崎組は18の工事を請け負っている。(報告の文字はくせがあり、誤読をしているかもしれない。[]は『北海道と朝鮮人労働者―朝鮮人強制連行実態調査報告書』中の「朝鮮人労働者地域別事業場及び人員…

地崎組の労務者使用状況報告書

GHQ/SCAPの資料の中に、地崎組が「北海土木建築統制組合」に地崎組支配人・西田庄太郎名で提出した「労務者使用状況報告」(1944年1-11月分)」がある(Box№1308 LS-23675~23678)。のは、配給等を受けるための文書で、書類欄外には、「本報告ハ物資、労…

強制連行被害者の中国での提訴の状況

中国で起きている強制連行被害者の提訴の状況を整理しました。裁判所が正式受理を明らかにしているのは、北京市第1中級人民法院(地裁)だけで、他の5裁判所の意向は、明らかにはされていません。各提訴の訴えの内容は、かなりバラエティーに富んでいます…

愛知・大府飛行場中国人強制連行被害者を支援する会総会

しんぶん赤旗(17日付東海・北陸のページ)が13日に開かれた愛知・大府飛行場中国人強制連行被害者を支援する会総会の模様を報じました。 愛知県の大府飛行場中国人強制連行被害者を支援する会の第2回総会が13日、名古屋市東区で行われ、およそ50人が…

済南市でも強制連行被害者が提訴

中国での強制連行裁判だが、ついに山東省の省都・済南市でも提訴された。原告はやはり三菱マテリアルの被害者で、三菱グループの現地法人2社を相手取っている。一連の訴訟提起の中では今回の提訴が日本の企業にとって最も恐れている形だろう。中国での裁判…

宮浦坑で働かされた劉千さんの日本での法廷証言(4)

[企業や裁判所に訴えたいこと] ところで、あなたが強制連行されて強制労働をさせられているときに、先ほど来証言されましたように、日本人の監督のサカヤマさんからおので傷つけられるという目に遭ったんですけれども、今、もしあなたがサカヤマさんに会うこ…

宮浦坑で働かされた劉千さんの日本での法廷証言(3)

宮浦坑で強制労働をさせられた劉千さんの証言はつづきます。 帰国後の生活 どんなルートで帰国しましたか。 -アメリカの軍艦に乗せられて、塘沽に帰りました。 あなたが帰国したときには、既にあなたの足は自由に歩けるようになっていたんですか。 -とんで…

宮浦坑で働かされた劉千さんの日本での法廷証言(2)

福岡県の宮浦坑に連行された劉千さんの法廷証言のつづき。 宮浦坑での労働と生活について 宮浦坑に着いた後、どこに連れて行かれましたか。 -山の上に建ててあった寮に入れられました。 (甲第63号証を示す) これは、第二次世界大戦の後で三井鉱山に就職…

宮浦坑で働かされた劉千さんの日本での法廷証言(1)

北京の地裁に提訴した劉国蓮さんの父・劉千さんは、福岡県の宮浦坑で強制労働をさせられました。「弁護士法人奔流」というHPに劉千さんの日本の法廷証言が掲載されています。(小見出しは、便宜的につけました) 原告11 劉 千(80才) **第12回口頭…

北京の第1中級人民法廷に提訴した強制連行被害者遺族の思い

北京の第1中級人民法廷(地裁に相当)に提訴した強制連行被害者および遺族のインタビューをしんぶん赤旗の小林拓也記者がおこなっています(4月7日付)。 父が三井鉱山で労働劉国蓮さん(58) 劉国蓮さん(58)は弟とともに原告団に名を連ねました。 父親…

森田太三弁護士が中国での強制連行提訴に関して見解

中国の強制連行被害者が中国で相次いで起こしている提訴について、森田太三弁護士が4月15日付の日中友好新聞で見解をのべています。 中国での強制連行提訴について 森田太三弁護士 20140415日中友好新聞 中国の強制連行の被害者や遺族が三菱マテリアルと日…

大江山の被害者が訴訟の準備

京都・大江山の強制連行被害者に関する消息が報道されたので、紹介します。中国メディアによれば、日本の企業が損害賠償を拒絶したことで、3月29日に被害者の代表が新郷(河南省)に集まり、日本の企業を訴えることを決めたということです。 ―輝県、新郷県…

中国人民抗日戦争記念館が公開した強制連行被害者名簿

中国人民抗日戦争記念館が日本に強制連行された元労働者の名簿をウェブサイトを通じて公開したという記事を時事通信が配信しました。 強制連行の名簿公開 中国抗日記念館 【北京=時事】北京市郊外・盧溝橋にある「中国人民抗日戦争記念館」は5日、戦時中に…

東川町の中国人強制連行 赤旗が連載(3)

北海道・東川 中国人強制連行被害者を訪ねて(下) しんぶん赤旗 呉さん(左端)の話を聞きに来た呉さんの家族や村の人たち。左から2人目は、劉元教授=3月1日、衡水市 国庫負担賃金ピンハネ 戦後、連合国軍総司令部(GHQ)が収集した諸資料の中に、地…

東川町の中国人強制連行 「赤旗」が連載(2)

しんぶん赤旗連載 北海道・東川 中国人強制連行被害者を訪ねて(中) 衡水市勾家村の呉さん宅を訪ねる劉元教授=3月1日 「歩行不能多数に上る」 地崎組東川出張所(北海道東川町)へ連行された呉錫波さんらが中国を出発した時は297人でしたが、船中で1…

東川町の中国人強制連行 「赤旗」が連載(1)

地崎組東川出張所で強制労働をさせられた中国人被害者の訪問記を「しんぶん赤旗」が連載しました(4月4日付~6日付)。 北海道・東川 中国人強制連行被害者を訪ねて(上) 凍傷の跡を見せる呉さん=4月1日、衡水市の呉さん宅 「作業場は戦場」労働強化 …

中国での強制連行訴訟の広がり(2)

日本国内での戦後補償裁判は、日韓請求権協定による韓国国民の請求権放棄を理由として日本の裁判所が韓国人の請求を棄却したことにつづき、2007年の最高裁西松訴訟判決が日中共同声明による中国国民の請求権放棄を理由として中国国民の請求を棄却したことで…

中国での強制連行訴訟の広がり(1)

中国では強制連行・強制労働をおこなった三菱マテリアルにたいする提訴の動きが広がっています。きょうは、2日に石家荘市の平安公園で開かれた「訴状提出集会」のもようを報じた「しんぶん赤旗」と朝日新聞の記事を紹介します。あすは、この広がりの意義につ…