普天間基地から流出したPFOS

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RBC放送から


 4月10日午後、沖縄の米軍普天間基地から有機フッ素化合物を含む大量の消火剤が、基地の外に流出したNHKは、「NHKが普天間基地の近くに設置したカメラの映像では午後6時半ごろ、アメリカ軍の消防車両などが基地内の一角に集まり、排水路のような場所で消火薬剤の除去作業をしているのが確認できた」と報じた。

 事故は、普天間基地の格納庫内の消火システムが作動して泡消火剤が放出されたことで起きたとされる。泡消火剤は、基地周辺の住宅街へ飛散したほか、宜野湾市内の川を下り下流の嘉数や大謝名周辺の住宅街にまで広がった。その全体量は、約22万7100㍑、うち米軍が基地内で回収したのは約8万3270㍑だった。防衛省はいずれも消火剤原液ではなく、水で薄めた量と説明している。

 琉球朝日放送は14日、宜野湾市の河川から浦添市の川や海まで広がっていると汚染状況をリポートした。この日、沖縄県は、消火剤の泡が流れ着いた牧港漁港内と近くの河口で海水を採取。5月上旬には、分析結果が出る見込みだという。番組では、自治会長らの「PFOSによって人体にどのような被害が起こるかっていうのが、一番心配」「(県に)できるだけ早めに軍との交渉とか市民に安心できるような行動、活動をやっていただきたい」という話も合わせて紹介した。

 沖縄テレビもこの事故について、「基地に隣接する認定こども園には13日、沖縄防衛局の職員が訪れ風で飛んできた泡が付着した恐れのある遊具や窓ガラスなど施設全体のふき取りを行った。その際、園では砂場の砂については全て入れ替えるよう求めたという」と報道した。

 沖縄県は14日午前、謝花喜一郎副知事が沖縄防衛局の田中利則局長や外務省沖縄事務所の川村裕大使を県庁に呼び出し、「県民に大きな不安を与え、決してあってはならず、大変遺憾だ」と強く抗議した。とくに、米軍が基地外に漏出した泡消火剤の回収作業をせず、宜野湾市消防の作業を傍観したことにたいし、「到底容認できない。後始末だけを県民、国民に押しつけるのはどうみても本来の姿ではない」と非難した。

 川村氏は、流出した泡消火剤の回収、事実関係を速やかに知らせることなどを米軍に申し入れたと言うが、流出した消火剤14万リットル余の回収はどうなるのか、いまだ米軍の動きは見られない。