2016-01-01から1年間の記事一覧

オスプレイとコウモリ(2)

航空機による低周波被害については、裁判ですでに認定されている。日弁連が2013年12月にまとめた「低周波音被害の研究と十分な規制基準を求める意見書」に福岡高裁那覇支部判決が紹介されている(平成22年7月29日普天間米軍基地爆音差止等請求控…

オスプレイとコウモリ(1)

「オスプレイが飛ぶようになってから宜野湾でもコウモリがいなくなったという記事が新聞に出ていた。ここにもオスプレイの影響があるのかと驚いた。即時、普天間基地は閉鎖すべきだ」。8月13日、宜野湾市役所前で沖国大への米軍機ヘリ墜落事件から12年…

高江のオスプレイパッドを考える(5)

きょう(8月8日)夕方、高江の集会に行ってきた。 約50人が集まっていた。若い人たちが多い。シールズ東海の学生、大阪でヘイトスピーチに対抗する運動をするなかで辺野古・高江のことを知り、来るようになったという女性など。山城さんが県外から来た人は…

高江のオスプレイパッドを考える(4)

北部訓練場の「過半」の返還の条件とされた高江のヘリパッド6カ所建設だが、「負担軽減」ととらえることはできない。 米軍側にしてみれば、すでに多くの人から指摘されているが、使いもしない土地を返すだけのことで、よりはっきり言えば、沖縄県民からとり…

高江のオスプレイパッドを考える(3)

8月5日夕の高江N1裏での集会 インターネットで沖縄タイムスが報じているように、きょう6日のN1裏テントの撤去はなかった。私も昨日夕方の集会に行き、そのまま車で寝て、朝の機動隊出動に備えた。防衛局も機動隊も特段の動きはなく、午前9時、結集が解…

高江のオスプレイパッドを考える(2)

これまで、N1裏の活用はできないとみられていた。それは、「工事に村道は使わせない」とする東村長の発言や、N1裏に行くには新川ダム堰堤を通らなければならず、10㌧の重量規制がある―など数々のハードルがあるからだ。 しかし、沖縄防衛局は「許可を…

高江のオスプレイパッドを考える(1)

米軍北部訓練場のオスプレイパッド(ヘリパッド)建設問題が新たなヤマ場を迎えている。 一昨年の名護市長選に始まり、県知事選、衆院選、そして今年の県議選、参院選と県内の大型選挙ではすべて「建白書」の立場にたつ候補者がすべて勝利しているが、つまり…

高江の抗議活動 国家の暴力では止められない

弾圧にひるむことなくN1ゲート前に集まった人たち=23日 「高江ヘリパッド着工 国、市民排除し強硬」(沖縄タイムス)、「国、高江工事を強行 機動隊が市民を排除 10時間超、県道封鎖」(琉球新報)-これが沖縄の地元紙(23日付)の見出しだ。 県道…

安倍政権は辺野古新基地も高江も展望がないまま強行突破をはかろうとしている(4)

7月22日未明から県道70号を県警が封鎖し、N1ゲート前に駐車していた抗議車両がレッカー車で撤去された。事態を憂慮して20日深夜から現地に行って抗議行動をした人から詳しく話を聞いた。IWJのライブ中継も見た。歴史に残る安倍政権の蛮行だ。 沖…

安倍政権は辺野古新基地も高江も展望がないまま強行突破をはかろうとしている(3)

「米軍北部訓練場ヘリパッド建設に関する意見書」は自民党の反対討論と共産党の賛成討論があった。反対討論が複数あったのでバランスをとって賛成討論も複数にするということが議会ではわりにあるのだが、与党会派は、意見書そのものが非常にわかりやすいも…

安倍政権は辺野古新基地も高江も展望がないまま強行突破をはかろうとしている(2)

きょう7月21日、沖縄県議会で「米軍北部訓練場ヘリパッド建設に関する意見書」が与党議員の賛成多数で可決した。意見書案は、新垣清涼議員以下26名である。提出者名には宮城一郎さん、亀浜玲子さん、次呂久成崇さん、瀬長美佐雄さん、玉城武光さんら新県…

安倍政権は辺野古新基地も高江も展望がないまま強行突破をはかろうとしている(1)

参院選で新基地建設反対の民意が明確に示されたにも関わらず、安倍政権が繰り出してきたのは、キャンプ・シュワブの陸上部分での工事再開、東村高江の米軍ヘリパッド建設工事の再開、そして、「違法確認訴訟」を起こすというものだった。国と沖縄県が辺野古…

米軍属事件の裁判移管について(2)

「管轄移転請求書」で、その次に書かれているのは「事実の概要」であるが、遺族にはとても見せられない、あまりに残忍な経過が書かれている。この部分は、おそらく起訴状の転記と思う。 「民心」の項では、 1.報道を通じて本件を極悪非道な事件と信じている…

米軍属事件の裁判移管について(1)

沖縄県うるま市の住んでいた二十歳の女性が米軍属(元海兵隊員)の男性容疑者に殺害された事件で、被告人の弁護人は4日、那覇地裁に裁判管轄を沖縄でなく、東京地裁に移すよう請求した。この裁判は、裁判員裁判で行われることになっており、沖縄県で選ばれ…

裁判より協議優先 係争委結論を受けての翁長知事の方針について(4)

【知事記者会見】 ―和解条項では訴訟が予定されていたが、現時点では訴訟は予定されていないのか。 知事 簡単な要旨は聞いたが、想定外でございまして、判断はあるものだと思っております。想定外のなかでコメントでのべましたように、改めて内容を精査し、…

裁判より協議優先 係争委結論を受けての翁長知事の方針について(3)

【係争委委員長と記者団の間での質疑応答】Q 解決に向けて協議せよということだったが、これはいつまでとか、これまでもずっと協議をしてきて結論が出ていないという経緯がありますが、いつまで協議を続けるかという期限は設けているのか。A 「協議をせよ…

裁判より協議優先 係争委結論を受けての翁長知事の方針について(2)

資料として、係争委の判断および係争委の結論を受けての翁長知事の記者会見を以下、記載する。 【係争委結論の抜粋】 〇本審査申し出については、国土交通大臣が行った是正の指示が地方自治法第245条の7第1項の規定に適合するか否かについては判断せず…

裁判より協議優先 係争委結論を受けての翁長知事の方針について(1)

国地方係争処理委員会は6月17日、国交相の是正の指示は地方自治法に反するのではないかとの翁長雄志沖縄県知事の申し出について結論を出した。この結論についてどう評価すべきか考えてみたい。 係争委は、国交相がおこなった正の指示が適法かどうかは判断…

辺野古埋め立て承認取り消しの無効確認訴訟 原告の請求棄却

辺野古埋め立て承認取り消しの無効確認訴訟で、きょう(6月14日)那覇地方裁判所で判決が言い渡された。新聞報道では、「住民側の原告適格が認められるかが争点」としていたが、その「原告不適格」を理由に、原告の請求が棄却された。 判決は、その原告適…

元海兵隊員が死体遺棄容疑で逮捕された事件について

公開捜査がされていたうるま市の女性が行方不明になっていた事件で、沖縄県警が19日夜、元海兵隊員を死体遺棄容疑で逮捕したニュースが流れた。当初、事件の関与を否定していたが、女性が失踪した場所付近の防犯カメラの映像からこの容疑者が浮上し、県警…

県民のたたかいと統一要求 沖縄県民は、いま、アメリカのベトナム侵略戦争が凶暴に拡大されるなかで米軍による土地強奪にたいして、はげしい不屈な土地を守る闘争を進め、過去一年あまり、一坪の土地も米侵略軍に渡していない。土地闘争と結合して民主主義と…

瀬長亀次郎の沖縄違憲訴訟 人民党機関紙から(4)

②那覇市具志の農民は、自分の畑に行く権利すら奪われている。アメリカ侵略軍は、必要でない土地すらとりあげた。沖縄に「黙認耕作地」というものがあるが、それは膨大な耕地を強奪しすぎて、そのうちからすぐ使う必要もない部分を耕作することをアメリカ軍が…

瀬長亀次郎の沖縄違憲訴訟 人民党機関紙から(3)

アメリカ帝国主義侵略者が沖縄に侵入してきたのは1945年4月である。それ以来今日までに実に22年にわたり、「平和」条約が結ばれ、発効したにもかかわらず、相変わらずアメリカは沖縄の軍事占領支配をつづけ、沖縄県民を軍事的植民地的支配のもとで苦…

瀬長亀次郎の沖縄違憲訴訟 人民党機関紙から(2)

(瀬長亀次郎の東京地裁での法廷陳述のつづき。) それ(米軍が瀬長氏の渡航申請を拒否した理由書)は1965年3月1日付である。その骨子は次の通り。 共産主義路線の追随者として知られている瀬長亀次郎氏の出域申請は好意的に考慮されなかったこと、沖…

瀬長亀次郎の沖縄違憲訴訟 人民党機関紙から(1)

瀬長亀次郎さんは、アメリカという異民族支配の時代、日本国憲法が適用されなかった時代に、本土へ渡るときの証明書=パスポートを米側が許可しないのは日本国憲法に抵触するとして沖縄違憲訴訟を起こしました。厳密には、人権協会が提訴を決め、瀬長さんも…

きょう4月28日は、沖縄の「屈辱の日」

沖縄では4月28日を「屈辱の日」と呼んでいます。1952年4月28日は、日本が連合国とサンフランシスコ講和条約を結び、国際社会に復帰することになる日ですが、同時に、日本は日米安保条約によって米国の軍事的支配の鎖に縛りつけられました。この日…

法廷で裁かれる沖縄戦(2)

『法廷で裁かれる沖縄戦 訴訟編』は、「市町村単位の戦死率や一家全滅率で一般常民被害が鮮明に」なるという指摘も行っている。「平和の礎」に刻銘されたデータを基礎に算出された戦死率は西原町は63・60%、東風平町は53・24%、浦添市は51・92…

法廷で裁かれる沖縄戦(1)

日本軍の国家賠償責任を問う沖縄戦訴訟は、先月(2016年3月)、原告の請求を棄却するとした地裁判決を不服として、福岡高裁那覇支部に原告が控訴した。1審での法廷闘争を記録として残すために出版されたのが『法廷で裁かれる沖縄戦 訴訟編』(沖縄戦被…

普天間基地隣接の市民駐車場での人権侵害(6)

市民駐車場は、同年12月 28日午後6時、米軍により利用が再開された。再開後、とくに問題なのが米軍兵士による巡回である。これも人権擁護委員会の調査報告を見ておきたい。 本件駐車場の利用が再開された同年12月 28日以降、本件駐車場では、米軍兵士による…

普天間基地隣接の市民駐車場での人権侵害(5)

宜野湾市の説明のうち、駐車場の閉鎖から再開までの経過を詳しく見ておきたい。 人権擁護委員会報告書は、次のようにまとめている。 2012年 (平成24年)11月 2日 午後2時、米軍から宜野湾市に対し、「警備上の理由」により本件駐車場を閉鎖するとの連絡があり…