伊江島の米軍基地機能強化(2)

 伊江島のLHD改修が出てきたのは2015年であろう。
 米海兵隊が2015会計年度に予算要求した文書では、およそ次のような説明を書いている。
 「MV22オスプレイ、F35攻撃機及び将来の海兵隊航空機の訓練及び作戦を支援する ため、伊江島にある上陸用強襲艦であるLHD(上陸用ヘリ・ドッグ)施設を改良する。
 垂直離着陸のために通過する低空飛行航空機を支援するため、アスファルトでの安全区域を舗装する。この舗装は、きびしい損害が予想される低空飛行ジェット機の爆風やヘリの気流の渦、土地の汚染や外国機の破裂などに耐えるためである。
 コンクリート舗装での誘導路と再給油区域の舗装は、航空機のパイロットの着陸技能訓練のため、伊江島でのシミュレーター訓練を可能にするためである。
薄いコンクリート舗装でのLHDデッキの舗装は、パイロットの技能訓練中、直接のジェット噴射、ヘリの気流に耐えるためのものである」
(「伊江島補助飛行場における強襲揚陸艦訓練場の改良」)
 こなれていない和訳だが、およそのことは分かる。
 まず、伊江島のLHDの大改修がアメリカの予算で行われる米軍直轄の工事だということだ。そしてその最大の目的はMV22オスプレイとF35が使用するための改良工事だということである。
 これまで伊江島で訓練を行っていたハリアーなどよりはるかに出力の大きいオスプレイやF35であるため、爆風、排熱も相当大きくなるため、滑走路自体、それに耐えうるコンクリートにしなければならないこと、さらに吸い込む力が大きくなるため、滑走路周辺の砂や石を吸い込み、エンジンを傷めるため、安全区域の舗装が必要になることなどを挙げて、改修が必要だと主張している。
 オスプレイは、いま、沖縄で訓練しているオスプレイだけでなく、横田に配備されるオスプレイ伊江島にやってくるのであろう。工事図面にはCV22とあった。
 もう一つのF35は岩国配備のものである。
 本土に配備しても、沖縄から「沖縄の負担軽減のため」本土に訓練移転をしても、絶えず沖縄に来て、沖縄で訓練を繰り返す。本籍本土、現住所沖縄。沖縄も本土も米軍の勝手使い放題ということだ。