相模湖の中国人強制連行(4)

 朱文斌らは墾利県廿村東で捕まった後、がんじがらめに縛られて村の中に連れて行かれました。

 「途中、川を通った。川は東南から西北に流れ、川原はイバラがいっぱい生えていた。朱文斌は隊列の中ほどを歩いていて、前後を観察した。逃走するよい機会だと思い、歩をゆるめて、ちょうど川の南のへりにさしかかったとき、日本兵が注意を向けないうちに、向きを変えて川の中州を走った。何人かの売国奴が追いかけてきたが、半里ほど走り、振り返るとついて来る人影はなくなった。しかし、この時、北の方で日本兵が叫ぶ声が聞こえてきて、急いで地面に伏せた。なんと、3人の騎兵が私の目の前に来た。彼らは私を起こして縄で縛り、棒で頭を叩いた。」

 日本兵は再び逃走されないよう、前よりもきつく体を縛り上げました。頭は割れそうに痛く、そのうえワタ畑も通るため、その痛さに悲鳴をあげました。