米機による平岸中国人寮への救援物資投下(15)

平岸隊の一人、武万華さんも米軍による物資投下事件について語っている(『日軍槍刺下的中国労工 石家圧集中営』所収「北海道における労務者経験」)。

「英米の労務者たちも自由になった。彼らは列車に乗って駅の近くで中国の国旗が掲げられているのを見かけ、駅まで見に来た。そこには多くの中国の労務者たちがいた。戦勝国の労務者たちはみな共感を覚え、中国の労務者たちの生活状況を見にきてくれた後、すぐに支援すると表明してくれた。しばらくして飛行機から慰問品が投下され、そこにはビスケットや缶詰やパンなどの食べ物があった。多くの物資が(投下されて)地面に落ちると砕け散ってしまったため、後に落下傘で投下されるようになった。奪いに来る日本兵もいた。労務者たちは彼らが投下物資を奪おうとするのを見て彼らから銃を奪い、ひどく彼らを殴りつけた。彼らはこっぴどくやられてほうほうの体で逃げていき、仕返しする勇気もなかった」