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辺野古護岸工事着工に知事怒り 

 沖縄防衛局は、今日(4月25日)、辺野古の護岸工事に着手したと発表した。

けさ、辺野古に行っていた人から、「ネットに石を詰めたものを5個、クレーンで波打ち際に置いただけですよ。ほどなく、ビニールをかけていましたから、今日はこれで終わりでしょう。まったくセレモニーそのものですよ」と“実況中継”が入った。

予想通りというか。

 きのうまで護岸工事に使うであろう仮設道路は、あまり進んでいなかった。それにケーソンを入れる前の根固め用材がまだ運び出されていなかったことなどから、とても護岸工事の着工は無理だろうというのがもっぱらの見方だった。とはいえ、うるま市長選が終わり、政府にとってはなにはばかることなく工事を強行できる環境になったとして、県の制止を振り切り、着工に踏み切ると予想した。高江のオスプレイパッド工事では、参院選伊波洋一さんが圧勝したその数時間後に強行した。このことに、政府がいかに民意をまったく介さない査証と厳しい批判の声があがった。

今回もうるま市長選の結果が出た翌日の月曜日に、参院選のときのように工事をやるのではないかと予想したが、1日ずれた。案外、菅官房長官は、県民やメディアの批判を恐れているのかもしれないね。

 

この護岸工事の着工を受けて、同日午後、翁長知事が記者団のぶら下がりに応じた。県庁1階ロビーの一画に、テレビカメラが設置され、記者が群がっているから、県庁を訪れた人は「何やっているの」と聞いている。遠巻きに聞く分には、追い払われることもないようだ。

この会見で知事が発表した「知事コメント」は次の通り。

 

本日、沖縄防衛局が護岸工事に着手し、辺野古の海において捨石の投入が開始されたことについて、本日、沖縄防衛局から連絡があり、また、現地に派遣した職員からも報告を受けております。

沖縄県としては、事前協議が調った後でなければ工事への着手は認められないことから、工事を停止するよう求めてきたところですが、今回、沖縄防衛局がこれに応じず護岸工事を強行したことは許しがたいものであります。

また、承認願書においては、事業実施区域内のサンゴ類の移植・移築は、事業実施前に行うとしていることから、沖縄県としては、今回の護岸工事施工個所におけるサンゴ類の状況を確認するため、事業者による調査結果の資料の提供や、護岸工事の着手前に県による立ち入り調査を認めるよう求めてきたところです。しかしながら沖縄防衛局は、沖縄県に十分な説明もないままに捨て石を投入しております。

辺野古埋め立ての工事は、各工区を汚濁防止膜で締め切る方法ではないことから、サンゴ類の移植等を行った後に工事を行わなければ、濁りの影響などで移植前のサンゴ類に影響が生じる恐れがあり、最悪の場合、その多くが死滅する可能性も考えられます。

さらに、本年3月17日に環境省が「海洋生物レッドリスト」を公表しましたが、県が確認したところ、当該事業の評価書に記載された確認種のうち63種が、新たに貴重な海洋生物に該当することになり、サンゴ類についても、評価書に記載された確認種のうち5種が、新たに貴重な種に該当しております。サンゴ類の移植等の方法について、沖縄防衛局が環境監視等委員会の指導・助言を得たのは平成27年度であり、こうした新たな情報を考慮したものとはなっておりません。

今回、沖縄防衛局が用いた手法は、高裁判決で示された「現在の環境技術水準に照らし」て、「その場その時の状況に応じて専門家の指導・助言に基づいて柔軟に対策を講じ」ているとさえも言えず、サンゴ類をはじめとするサンゴ礁生態系を死滅に追いやるおそれがあり、環境保全の重要性を無視した暴挙であると断ぜざるをえません。

政府は、なりふり構わず埋め立て工事の着手という既成事実を作ろうと躍起になっておりますが、護岸工事は始まったばかりであり、二度と後戻りが出来ない事態にまで至ったものではありません。

私は、このような政府の暴挙を止めるため、IUCNなど自然保護団体にも強く協力を訴えかけていくとともに、差し止め訴訟の提起を含むあらゆる手法を適切な時期に行使し、辺野古に新たな基地を造らせないという県民との約束を実現するため、全力で戦う考えであります。

大浦湾の貴重な自然環境を次世代に受け継ぐためにも、県民の皆様にも決して諦めることなく、辺野古への新基地建設阻止に向け、引き続きご理解とご協力をよろしくお願いいたします。

           平成29年4月25日

           沖縄県知事 翁長雄志

 

 そのあとの記者団との一問一答も若干紹介しておく。

―知事はこれまで対抗策として、工事の差し止めや撤回について明言されていましたが、いつごろその対抗策を講じるのか。

 知事 差し止め訴訟もそうでありますけれども、撤回につきましても、慎重に、大胆に物事を進めていかなければならないところがございます。法的な観点からの検討は、丁寧にやらなければなりません。どのような事由が撤回の根拠となるか、効果があるか、慎重に今、弁護団とも検討しているところであります。沖縄県としましては撤回を視野に入れて、法的な観点、国の日々の動き、全体的な流れを勘案しながら、あらゆる状況を想定して、今、弁護団と議論をしているところであります。今後も沖縄県の有するあらゆる手法を用いて、辺野古に新基地はつくらせないという知事公約の実現に向けて、とりくんでまいります。

―護岸工事は、現状回復は難しくなるという見方があるが、どの程度の危機感をもっているか。

 知事 実際上、海域に入ったわけですから、たいへんな危機感を持っています。今日までの出来ごと等を思い出しながら、なおかつ、政府がことあるごとに県民に寄り添い、誠心誠意、基地負担の軽減、法治国家であるというようなことを話しながら物事を進めておりますけれども、現状は私たちからすると、暴挙としかいいようがない。そのなかで本日、海域に捨て石が入ったということは、たいへん重大なことと考えておりまして、そのことに関して、私たちも重大な決意でこれからいろいろ対処しなければいけないなとこのように考えています。

―差し止め訴訟を含むあらゆる手法を適切な時期に行使するとおっしゃっていたが、まずは撤回よりも差し止め訴訟を提起して行くという構えでいらっしゃいますか。

知事 これはいろいろ弁護団と相談しながら、岩礁破砕許可を受けることなく継続していることとか、そういったことを含めいろいろな角度から議論しつつ、そういったものに対処しようということであります。

―市民の間で早く撤回するべきだという声がある。その受け止めと、いまの事態を市民にていねいに説明するお考えは。

知事 いろんな議論、マスコミなどによるいろいろな声の紹介含め、いろんな識者にお聞きもしています。一昨年に、第三者委員会で約半年間検証してもらいましたが、そのときにも中谷防衛大臣5月頃、夏には土砂を入れるというような話がある時に、県民はたいへん、不安に思って早く取り消せ、第三者委員会とは関係なく早く取り消せというような話もございました。その第三者委員会にかかわった人達は、時間をかけて瑕疵について、私たちからすると正確に報告をしてもらいました。そういった中での一昨年10月13日の取り消しだったわけであります。ですから、県民もたいへんいらいらするでしょうし、たいへん不安にもなるでしょうし、いろいろございますが、私とすれば、工事を止める、そういうことで知事になっておりますので、その方法を含め、決してマイナスの面で考えてはおりませんので、いい方向に行くようにいろんな議論をしながらやっているところであります。

―県民投票については。

知事 さっきも県民の不安とかいろんな思いがあるようですがという質問がありましたが、いまのことも耳の中に入ってきて、私なりに県民やあるいは世論として、おっしゃっていることについては出来るだけ深く理解するようにやっておりますので、私なりの考えはもっておりますけれども、これも含めて相談しながら、県庁内でも相談しながらやっていきたいと思います。

 

私としては、知事が県民に「あきらめないで」と呼びかけたことが一番、心に響いた。