安倍政権と機動隊による辺野古での人権侵害調査

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上の写真は、7月25日のゲート前の強制排除。機動隊員2人に抱えられ、移動させられているこの男性は傘をたたんでいて全身濡れている。おそらく、仲間や機動隊員を傷つけないようにと考えたのだろう。どんな状況でも周りの人への配慮を忘れない、辺野古新基地をつくらせたくない一心で行動している高齢者を、犯罪者扱いするのか。

 

 辺野古のゲート前での座り込みにたいする機動隊の暴力が一向収まらない。こんな現場がほかにあるのだろうか。日本環境法律家連盟と沖縄ジュゴン「自然の権利」訴訟弁護団が調査をおこなった。7月31日から今月4日までの5日間 アンケート用紙を配布し記入してもらうことと合わせ、個別の聞き取りも行っている。

 集計表を見ると、アンケートは7月24日分から始まっているので、この写真の男性もアンケートに答えているかもしれない。

 アンケート項目は、①ゲート前で非暴力の座り込みをしていましたか②機動隊による排除を受けましたか③事前に機動隊から排除の理由を説明されたか④排除の際、暴力はあったか⑤暴力は具体的にどのようなものであったか⑥身体を拘束される環境へ置かれたことはあるか⑦身体の拘束は1日に何回あり、時間はどれくらいか⑧機動隊の暴力について感じたことは―である。
 強制排除の際に受けた暴力について「腕をひねる、ねじる、つかむ」行為を受けたと答えた人は90人に上る。そのうち内出血、あざ、捻挫を訴えている人は42人もいる。

 アンケートの記述を若干例、紹介しよう。

 ・腕を強く握られ青あざができる(60代男性)

 ・青あざが2週間くらい残っていた(60代女性)

 ・抱える際にひじを曲げられる(50代)

 ・両腕を抱えるときに腕をねじるようにされて激痛だった。体全体を抱えられて鉄

 柵のなかにおろされるときに腰を痛め、翌日起き上がれず、整形病院に通い、治療 

 を受けた(60代女性)

 ・腕をねじる。排除するとき膝蹴りをされた(60代)

 ・隣の人と腕を組んでいるのを無理やり外そうとつかまれ、右腕に指の跡が青黒く残

 り、2週間消えなかった(60代女性)

 ・両肩をつかまれ押されころびそうになりました(70代女性)

などなど。

 
 回答者の約8割が50代から70代だ。

 機動隊の暴力にたいする感想では、「工事を進めるために座り込みを犯罪視し、弾圧を強めている」「まるで家畜扱いを受けた」など、抗議の言葉がつづられている。
 籠橋隆明弁護士は、「全県民の声を代弁し抗議している人たちであり、表現の自由は最大限尊重されるべきだ。それが犯罪者であるかのように、そしてモノのように扱われ、尊厳が傷つけられている」と、重大な人権侵害だと機動隊の暴力を批判した。さらに「為政者の在り方が問われる」と厳しく政府の責任にも言及した。