辺野古工事阻止、共謀罪廃案に シュワブゲート前集会

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辺野古工事阻止! 共謀罪は廃案に!」を掲げた集会で訴える、前列左から、仲村未央県議、伊波洋一参院議員、高良鉄美教授、三宅俊司弁護士。

 

 

 昨日6月10日、米軍キャンプ・シュワブゲート前で1800人が結集する集会が開かれた。辺野古工事阻止と共謀罪を廃案に、の二つを掲げ、国会包囲行動と連帯して開かれた。 琉大教授の高良鉄三さんや参議院議員伊波洋一さんらが訴えた。

 月曜日と土曜日にゲート前の座り込みで運営責任者を担当している瀬長和男さんも車の上から「共謀罪を先取り」して弾圧を強めていると指摘されているゲート前の県警の警備についてリアルに報告した。

 瀬長さんは、座り込みの際、一人ひとりの判断を尊重した話し方をし、カマボコ車の前に集中してくださいとは言わない。参加者をあおるようなこともなく、いわば情報提供型の運営をされているといっていいだろう。 そして、座り込みの時に立つ位置は、車道の反対側のスピーカーが置かれている側にいることが多い。集会参加者の安全を確保するためには、指揮者は全体の様子を常に掌握し、適切な指揮を執る必要があり、指揮者が機動隊にごぼうぬきされてはいけないと考えてのことのようだ。

 これまでゲート前では、工事車両を基地の中にいれる際に、座り込んでいる人たちを排除したが、工事車両が通れるスペースができれば、それ以上、力ずくで人を移動させることもなかった。

 それが、2週間ほど前から変わったという。 しかも、機動隊の中隊長は、指揮者に座り込みの中止の指令を出すよう要求までしてきている。むき出しの集会妨害であり、指揮者が座り込んでいなくても、参加者を扇動しているとして拘束するのだから、まさに共謀罪の先取りといっていいだろう。

 瀬長さんは、中隊長に私の言葉のどの部分が扇動に当たるのかと聞いたが、回答できなかったという。恣意的な現場判断で、犯罪ではない行為が犯罪にされてしまうおそれがたぶんにある。そういう根拠(弁護士は「武器」と表現していたが)を警察権力に与えるのが共謀罪であるという指摘は、説得力があると思う。

 

 さて、今回の集会は、5月27日の「K9護岸工事阻止」を掲げた集会に続く大規模なものである。聞くところによれば、労働者も仕事が休みで参加しやすい土曜日に大きな集会をもって、確実に工事を止める日にしたいという意見があったという。しかも、毎回訴えるポイントをしぼるのだという。

 それで5月27日は今やられている工事が、工事図面で「K9」と呼ばれている部分での護岸工事であることがわかるように集会名称にしたらしい。

 ここから推察できるのは、護岸工事の一部だということであり、埋め立てはもっと先のことである。

 国は、埋め立て工事が始まったのだからもう後戻りはできませんよと、イメージ操作をねらっているようだ。K9護岸工事でサンゴが破壊されることは絶対に許されないが、埋め立てが本格的に始まるのは設計図にあるすべての護岸工事が終わって囲われてからのことである。工事に対する怒りとともに、工事そのものがどのように進められようとしているのかは、正確につかんでおくことが、諦めずにたたかいを継続するうえで欠かせない情報となるのは確かだ。そういうことを考えた集会名称ということだろう。