K9護岸工事ストップ! キャンプシュワブ前県民集会

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隣の人と手をつなぎ万歳する「オール沖縄方式」で団結がんばろーを三唱する集会参加者

 

 26日、「辺野古基地を造らせないオール沖縄会議」の呼びかけで、米軍キャンプ・シュワブゲート前で県民集会が開かれた。

 県民集会は午前11時からだが、7時半には20人ほどが集まり、ゲート前での座り込みが始まった。形式的には県民集会とは区別され、この座り込みは毎日行われている通常行動。徐々に人も集まってきて、9時半にはゲート前の座り込みには90人ほど、テントには120人ほどか。大型バスも次々に到着した。

 座り込みで話が出たのは、K9護岸工事の様子と、昨日の機動隊のこれまでにない動き。

 昨日の機動隊の異常な動きというのは、こうだ。ゲート前行動の指揮をとっていた瀬長和男さんにたいし「座り込みをしろと指示を出しているのは問題だ」と言って、機動隊の隊長が瀬長さんを取り囲んで別の場所に移動させたというのだ。ある人は、「共謀罪法案が衆院強行採決されたことから、座り込みにたいし、これからは共謀罪が適用されるぞ、と脅したのではないか」と話していた。瀬長さんに直接聞いたわけではないので、どこまで正確かははっきりしないが、注視したい事柄だ。

 K9護岸工事については、ヘリ基地反対協の安次富浩共同代表が詳しく報告した。

 「陸上部から海に向かって「ずり石」や「捨て石」などが積み上げられているが、2、30メートルほどだ。その上に鉄板を敷き、その上にクレーンが載って、石を投下している。カヌー隊の監視行動で分かってきたが、カヌーが出せるほど海が穏やかな時でも、クレーンが動いていないことがあり、ちょっとした風でもクレーンが倒れる危険があるから中断しているようだ。農家には申し訳ないが、台風が来れば工事が止まる。風頼みみたいだが」

 護岸工事開始のセレモニーまでやって工事を始めた政府だが、おそらく思うように進まないことに首相官邸はやきもきしているに違いない。“1カ月でたった30メートル? トランプ大統領になんといわれるか”と。

 護岸工事が簡単には進まないことは、ほかにもいろいろと理由がありそうだ。

 護岸工事には大量の石材を必要とする。1日100台のダンプでシュワブに運び込んだとして3カ月はかかる。ゲート前の座り込みをつづけることは、それを半年、1年と遅らせることが確実にできる、その確信のもとに座り込みが毎日続けられている。

 それから安倍政権が、「漁業権が放棄されたから知事には岩礁破砕許可権限はなく、岩礁破砕許可を得なくても工事は続けられる」とうそぶいていることだ。共産党赤嶺政賢衆院議員が、漁業権に関する水産庁の見解変更の根拠を国会で追及したが、水産庁はまともに根拠を説明できなかった。首相官邸が、知事から岩礁破砕許可がえられないので、知事の許可の必要なし、とするために、水産庁に見解を変更させたことは明白だ。「試合中に自分たちが負けそうだからと言って、ルールを変更する、こんなことが民主主義国家で許されるのか」―そう多くの人が安倍政権を厳しく批判している。

 これは、翁長知事が護岸工事の差し止め訴訟を提起したり、埋め立て承認の「撤回」を行ったときに、司法の場でもこの問題が鋭く問われることになるであろうから、その点も考え、いかにして法の網をくぐるかを考えながら政府は行動しているのであろう。

 安保の問題になるととたんに役割を放棄する司法といえども、政府はまったくのフリーハンドであるわけではない。

 このようなこともやはり、護岸工事1カ月には、色濃く反映しているとみることができるだろう。

 県民集会での発言の一つ一つを紹介することはしないが、これらのことを強く感じさせた1日であった。