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辺野古での抗議活動にたいする新たな封じ込め

 沖縄防衛局の辺野古での抗議活動にたいする封じ込めが次々に打たれてきている。

 大浦湾の「臨時制限区域」を示すフロート(浮き具)を張る作業が進められているが、この浮き具に支柱を取り付け、支柱についている小さい輪にロープを通している。抗議船やカヌーが立ち入らないようにするために導入した。これを最初に報道したのが産経新聞。おそらく官邸の発案ではないか。産経は沖縄では、ほとんど現場での取材をすることなく、防衛省や官邸の情報で書いているという見方がもっぱらだ。フロートを乗り越える際に、ロープを切断したら「器物損壊」で逮捕することを目論んでいる。実際、海上では「ロープを切断すると器物損壊罪に問われます」と警告していた。

 一昨年まで、カヌー隊のフロート越えに警備側は悩まされていた。拘束しても、キャンプ・シュワブ内などに連行したのち、数時間して解放していた。刑特法違反に問われたのはごくわずかだ。断っておくが、筆者はフロート越えを推奨しているわけではない。ただ今回のように、船やカヌーが触れたことでロープが切れたら、逮捕理由にするという発想に恐ろしさを感じているということだ。

 浮き具だから絶えず波に揺られ、支柱の穴のところでロープはすり減る。切れやすい状態であったり、ひどいときには、抗議船が接触する前からロープが切れていたりするだろう。意図的であれ、事実誤認であれ、ロープが切れている=切断した、となることも起こりうる。

 

 これにつづいて、さらに、報道各社への威嚇といってもいいことも起きている。沖縄防衛局は、次のようなファクスを各社に送り付けたらしい。

 

沖縄県記者クラブ加盟各社各位

 キャンプ・シュワブ沖に設定された臨時制限区域内への許可なき立ち入りについて

 標記臨時制限区域は、陸上施設及び普天間飛行場代替施設の建設に係る区域の保安並びに水陸両用訓練に使用するため、防衛省告示第123号(平成26年7月2日)により、常時立ち入り禁止区域に設定されており、正当な理由なく、標記臨時制限区域に立ち入った場合には、いわゆる刑事特別法第2条の規定に基づき、「一年以下の懲役又は二千円以下の罰金若しくは科料」に処せられます。
 沖縄防衛局は、正当な理由なく、標記臨時制限区域へ立ち入ろうとする者や船舶等を未然に防止するため、標記臨時制限区域の境界を示す灯浮標を設置し、これらの者や船舶等に対しては、当局の警備業務受注者から臨時制限区域のため、立ち入り禁止となっている旨警告を行っているところです。
 先般、報道関係者と思われる方が乗船した船舶が、標記臨時制限区域に許可なく立ち入り、当局の警備業務受注者の警告にも従わない事案が発生しました。
 沖縄県記者クラブ加盟各社におかれましては、標記臨時制限区域に許可なく立ち入ることのないようお願い申し上げます。
                       平成29年1月18日
                   沖縄防衛局総務部報道室長

 

 「報道関係者と思われる方が乗船した船舶が、標記臨時制限区域に許可なく立ち入り、当局の警備業務受注者の警告にも従わない事案が発生し」たと言っているところが、防衛局が一番いいたいところだろう。

 高江のオスプレイパッド建設問題では、地元紙は、北部訓練場内に入った市民から話を聞いて、北部訓練場内の工事がどうなっているかを伝えていた。北部訓練場内に立ち入ることは法令上できない。かといって、中の様子がわからなければ、沖縄県民は声のあげようもなくなってしまう。ドローンで撮影された写真で、どれほど大規模な伐採が行われ、やんばるの森が破壊されているかをようやく知ることができたのである。

 地方自治や沖縄の環境をまもるのにかかせない情報だということと、法令に反した形での情報を扱うかどうかということのはざまで、悩みながらも紙面に掲載していたのだと推察する。県警や沖縄防衛局はそういう報道をこころよく思っていなかったようだが、今回、そのメディア対策を早くもとってきたといえよう。