高江のオスプレイパッドを考える(1)

 米軍北部訓練場のオスプレイパッド(ヘリパッド)建設問題が新たなヤマ場を迎えている。
 一昨年の名護市長選に始まり、県知事選、衆院選、そして今年の県議選、参院選と県内の大型選挙ではすべて「建白書」の立場にたつ候補者がすべて勝利しているが、つまりは、辺野古新基地・ヘリパッド建設反対が民意であるということは、言を待たない。  

 ところが、安倍政権は、翁長知事が辺野古埋め立て承認取り消しを撤回しないといって「違法確認訴訟」を起こした。同時に、辺野古では陸上部の工事は新基地建設とは関係ないという詭弁を持ち出して工事を再開すると県に通告し、高江では、反対住民を暴力的に排除し、抗議車両とテントを撤去、工事用資材の搬入を開始し、さらにN1ゲート入り口付近で工事用道路の整備を開始した。
 この高江での一連の強行は、さまざまの違法・無法が指摘されている。
 ▽県道封鎖

 抗議車両とテントの撤去、抗議する県民を排除するにあたり、まず、新川ダムのところで警察車両で道をふさぎ、県道を封鎖。この封鎖は、12時間に及び、農作業に行こうとする地元の人の通行も認めなかったばかりか、県道を管理する県土木課職員が状況確認へ現場に行こうとすることすら拒んだ。県道封鎖は、不発弾の処理か大きな事件が起きた時くらいしか行われることはない。つまり、着陸帯建設の準備のため資材を搬入することに抗議することを、大きな事件として警察当局が対処したということだろう。
 ▽車両とテント撤去、防衛局に権限なし

 防衛局はN1ゲート前のテントを、「所有権を放棄した」と決めつけ撤去したが、県道管理者でもないから、そういうことを行う権限はない。赤嶺政賢衆院議員が東京で防衛省の役人にどういう法的根拠があるのかと問いただしたところ、答えられず震えていたということである。
 ▽N1ゲート入り口での無断伐採 
 N1ゲート(あるいはN1裏)からN1の工事現場に資材や重機を運び込むには工事用の道路が必要になります。今あるのは、二人が並んで歩けるくらいの幅しかない旧林道です。沖縄防衛局は一応、沖縄森林管理署から国有林野の使用承認を受けましたが、旧林道をダンプが通れる道幅に広げるための樹木の伐採の承認は受けていない。中谷元防衛大臣も「伐採が必要にはなっていないので承認は受けていない」と語っている(先月末)。
 規定では、胸高(地上から120㌢の高さ)で直径4㌢以上の樹木を伐採するには、事前協議が必要となっていますが、そうした協議もしないで、N1ゲート入り口付近で伐採し、道路整備を始めたが、その事実は、3日に森林管理署が確認した。
 このように無法に無法を重ねてのヘリパッド建設強行―だ。そうして無法を続けるほど、県民・国民は問題の根本に目を向けるようになり、「北部訓練場の過半の返還で、沖縄の負担軽減になる」という政府の嘘に気づくことだろう。