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県民のたたかいと統一要求
 沖縄県民は、いま、アメリカのベトナム侵略戦争が凶暴に拡大されるなかで米軍による土地強奪にたいして、はげしい不屈な土地を守る闘争を進め、過去一年あまり、一坪の土地も米侵略軍に渡していない。土地闘争と結合して民主主義と人権を守るたたかいも発展している。
 1966年夏、高等弁務官はすでにご承知の裁判移送命令を出した。これは瀬長を那覇市長から追放するために改悪した布令、「重罪または破廉恥罪を犯したもので高等弁務官の特赦がない限り立法院議員の被選挙権を有しない」にひっかけられて、その選挙区で第1位になった社会大衆党公認の友利隆彪氏が、当選を無効にされた。この事件は法廷に持ち出され、中央巡裁は、「同布告は大統領行政命令にすら違反しているので無効であり、友利隆彪氏を当選人とする」との判決を下した。これが有名な前田判決である。それは上訴裁でも同じ判決をする情勢となった。沖縄の軍事的植民地的支配にとって不利と見た高等弁務官は、上訴裁にたいして「審理をやめすみやかに同事件を軍裁に移送すべし」との命令をだした。
 組織労働者を中心とする祖国復帰民主勢力は、裁判移送撤回県民共闘会議」に結集して統一のたたかいを発展させた。この闘争はついに、砂川布令議員を立法院から叩き出し、友利氏を立法院に送ることに成功した。それにとどまらず、瀬長追放布令といわれていた例の被選挙権はく奪条項を削除させるという歴史的な勝利を勝ち取った。このような米軍の銃剣の前でのはげしいたたかいを通じて、今や基地撤去、米軍撤退はしだいに広範な県民の要求となり、「平和」条約第3条撤廃、「安保」破棄による沖縄・小笠原の即時・無条件・全面返還の要求は、沖縄県民のたたかいで断固として掲げられている統一スローガンになっている。
 ポツダム宣言をふみにじり、「平和」条約第3条によって沖縄を本土から分断支配する権限、その第6条と「安保」条約によって全日本に駐留する権利をかすめとったアメリカ帝国主義の侵略と、その家来となって沖縄をアメリカに売り渡して以来、沖縄の米軍による分離支配に協力、加担し、その共犯者となっている日本独占資本とその政府が日本国憲法をもふみにじった反民族的反人民的犯罪行為こそ国民のいっさいの苦しみの根源である。

 むすび
 この沖縄にすむ百万近い日本人民の方と正義にかなった国民としての当然の要求、侵略者の銃剣と対決して妥協することなく断固として22年間たたかい続けてきた沖縄県民の法にかない正当な要求に耳を傾け、前田判決に示された日本人民の良心の輝き、その日本民族としての誇りに満ちた良心をもって、この法廷における裁判官が、私たち原告の主張の正しさを法廷で実証してもらえるだろう期待をもって陳述を結ぶ。

 

(付記)東京地裁での瀬長さんの陳述は以上の通りである。当時の沖縄を知らなくとも、この陳述には圧倒されるが、そればかりでなく、日本のこれからを考える視座を与えてくれるのではないかとさえ思う。