相模湖の中国人強制連行(19)

 8月下旬、千人余の警官と市民が労工隊を包囲し、鎮圧しようとしました。これにたいし、中国人らも鉄棒や棍棒を持って対峙し、一触即発の事態に発展しました。米軍が表に立って、労工隊に市内の治安を乱すなと説教しました。

 「その時つれてこられた日本人通訳は、“いいかげんにしろ、首をきるぞ”と通訳した。労工の中に英語を話せるものがいて、これは日本人が今なお権勢を笠に着ていることがあきらかだった。何人かの人が通訳をこっぴどく殴った。アメリカ人はそれには構わないで、車を出して立ち去った。日本人は通訳を病院に送り届けた」