愛知における強制連行問題の取り組み(1)

 愛知における中国人強制連行問題の解決に向けた取り組みは、強制連行をおこなった企業・岩田地崎建設(当時・地崎組)に直接訴えかけたという意味では、2012918日に始まりました。

旧地崎組(現・岩田地崎建設)は北海道の土建業者ですが、外務省管理局作成の「華人労務者就労事情調査報告書」(昭和21年3月1日)によれば、伊屯武華出張所(常呂郡留辺蘂字富士見)、置戸出張所(常呂郡置戸村北光)、大阪(大府の誤り)出張所(知多郡上野町字冨田)、平岸出張所(空知郡赤平町字平岸)、北海道第一華人収容所(常呂郡留辺蘂町大町)、函館出張所(函館市鶴岡町)、大野出張所(亀田郡七飯村大野)、落部出張所(茅部郡落部村字川向)、大夕張出張所(空知郡夕張市字鹿島)、上砂川出張所空知郡砂川町字砂川)、東川出張所(上川郡東川村市街地)の11出張所に1741人(乗船数)を連行しました。このうち愛知の人たちが直接支援をしているのは、大府にきた496人ですが、この人たちは中国から直接愛知に来たのではなく、北海道伊屯武華・置戸を経て来ました。愛知県では、19441130日から45629日までの半年間、大府飛行場(東海市大府市)の滑走路の拡張工事に使役され、その後、北海道の赤平町平岸の日本油化工場の整地工事に移動させられました。

伊屯武華・置戸・大府・平岸で強制労働をさせられた中国人496人を代表する5名の生存者が2012718日、岩田地崎建設にたいし謝罪と記念碑建設、被害に対する補償を求める「提訴書」を日本に送ってきました。

これを受けて、愛知の人たちは「提訴書」を岩田地崎建設名古屋支店に渡し、被害者の要求に耳を傾けるように申し入れました。