井華赤平の李清文さんの証言(1)

河北省石家荘市郊外の大河郷大河村出身の李清文さんも北海道の赤平に連行された一人である。井華(住友)赤平名簿の266番に記載されている。

19448月7日朝、家で寝ていたとき、日本人が私の家に侵入してきて連行されたという。石門(現・石家荘市)の警官局第1分所に1日半留め置かれ、南兵営という強制収容所に送られた。「南兵営ではしょっちゅう人が死んだ。毎朝外へ死人を運び出したが、時には5台のゴムの車で運んだ。1車に10余りの人が積まれた」こともあった。日本人は、“薬はない。死ねば犬のえさとして運ばれるまでだ”といって脅したという。3カ月して塘沽に行き、そこから日本に行く船に乗せられた。李さんと同じ村の者が2人船中で死んだ。その中の一人は余吉慶さんで、死んだ後に稲わらで巻いて海里に投げ込まれた。

李さんと同じ村の余吉慶さんは、「資料 中国人強制連行の記録」にも「死亡日441122日 連行途次会寧丸船中死亡」とある。もう一人の船中死亡者は辛景喜という人で、「同じ村の者が2人船中で死亡」は資料から裏付けられる。