辺野古のサンゴ 移植で死んでも成功と回答

 辺野古新基地建設にともなうサンゴの移植について沖縄防衛局は1月20日、環境監視等委員会にたいし沖縄県から出されている照会に対する回答案を報告した。

 

 沖縄県の質問項目は多岐にわたるが、「移植先の評価について」の項目では、移植したサンゴが死滅したことについて、その原因および移植先の環境が妥当であったかなどについての見解をただしている。

 ○オキナワハマサンゴ1群体(No.23)の死亡した要因の考察において、「移植先において移植したオキナワハマサンゴの生息に影響を与えるような特異な水質及び流れのデータは確認されておらず」とし、同様に、令和元年11月12日に開催された第22回環境監視等委員会資料によれば、オキナワハマサンゴ1群体(No.15)の死亡した要因の考察において、「移植先において生息に影響を与えるような特異な水質及び流れのデータは確認されておらず」としていることから、移植先ごとの水温、流向、流速、波高、水位、濁度、栄養塩等の調査結果及び「特異なデータ」と判断する際の項目ごとの基準について示す必要があると考えます。

 ○移植先に元々生息していたサンゴのうち、××(移植先名。公表にあたって伏せられている)では平成30年11月までに5群体中3群体の死亡が確認されていることから、上述の水質や流れのデータ及びオキナワハマサンゴの特性を踏まえて、移植先がオキナワハマサンゴの生息環境として妥当であったか評価する必要があると考えられます。

と、具体事例についての評価を求めている。

 

これにたいし、沖縄防衛局は、

「これまでモニタリングを行った結果、移植したオキナワハマサンゴは、いずれも移植先の環境に順応したと判断しております。移植したオキナワハマサンゴ及び移植先に元々生息しているオキナワハマサンゴにおいて死亡した群体が確認されていますが、これらについては第22回環境監視等委員会において『移植先に元々生息していたオキナワハマサンゴを見ますと、部分的に白化しているものが多く、しかも観察中に死亡しているものが3群体となっており、その原因もよくわからない状況かと思います。頻度から考えても、移植群体で死亡率が高いということもありませんので、これがこの種類のサンゴの生態をそのまま示していて、ある程度の大きさになったら、ある程度の確率で死んでしまうため、小型のサンゴであるということが考えられます』『移植先に元々生息していたオキナワハマサンゴも観察したところ、7群体のうち3群体が死亡していることで、移植は成功しているのではないかと思います』との意見を頂いており、これらの現象は正常な生活史の一環である可能性が高いと考え、検証していく予定としております」とこたえている。

 

 移植先で、もともと生息していたサンゴも死んだんだから、移植したサンゴが死んでもやむを得ないことで、特段、移植が悪かったわけではないと開き直るにとどまらず、「移植が成功」とまで言うに至っては言葉を失う。