辺野古は今

 第二東京弁護士会憲法問題検討委員会が開いたシンポジウム「辺野古は今! ~沖縄辺野古基地建設問題の現状と法律問題」に参加した。2カ月に一度は辺野古に通っているという内田雅敏弁護士が辺野古ゲート前での抗議行動の様子を、抗議船「不屈」の船長をしている日本キリスト教団佐敷協会牧師の金井創さんが海上でのたたかいを紹介した。専修大学の白藤博行教授は沖縄県が国を相手に争っている「関与取り消し訴訟」と「裁決取り消し訴訟」の焦点を解説。沖縄防衛局がこれから出してく埋め立て工事設計概要変更申請にも若干触れた。

 金井さんの発言を紹介する。

 大浦湾側の工事にかかわって問題点を三つあげたい。①急激に落ち込む谷の斜面に建築②活断層の可能性③軟弱地盤―である。金井さんは、ダイバーに人気のあるクマノミが、大浦湾では、6種類全部が見られるスポットがいくつもあることを紹介しながら、大浦湾では新種の生物が次々に発見されており、いわば未知の海で、世界の宝といってもいい海だと大浦湾の魅力を語り、そんな海を壊して基地をつくるということはとんでもないことだという。

 軟弱地盤が「マヨネーズ」にたとえられるが、実は、サラサラの海底というのが近い。そこに1個2000トンのケーソンを設置するため、地盤改良工事をするといっているが、疑問だ。技術検討会で、専門家のおすみつきをもらうというが、報道されてみなさんご存知だと思うが、その専門家は業社から献金をもらっている。 

 海での抗議活動を規制するのは海上保安庁。2014年以前は、海保は、抗議者であれ、工事を進める側であれ、危険な行為はとめていた。ところが安倍内閣になってから、海保は、工事をする側のガードマンになった。

  辺野古は、新基地建設工事に目がいくが、実は、キャンプ・シュワブ基地があり、米軍が日常的に軍事訓練を行っており、ここから戦地に出ていく。私たちは、戦争の加害者の側に立ちたくない。

 安和のたたかいを話しましょう。ここは、辺野古を埋め立てる土砂の積み出し港になっており、私たちはここでも抗議活動を行っています。安和の桟橋は、辺野古と違って米軍への提供水域ではないので、抗議のカヌーが船に近づくことを止める法的根拠はありません。今のところ1時間くらい船を止めている。海保は隊員が海に入って、カヌーを結び付けているロープをほどく。それに時間がかかっているのです。寒くなってきているので、1時間も隊員を海につけておくことはできないから厳しく対処するといってきている。

 現場では、1分でも10分でも、1時間でも止めよう、引き延ばそうとやっています。劇的に何かできるわけではないが、そういう粘り強いたたかいに多くの人が目を向けてくれ、心をつないでくれ、声をあげてくれることを期待してたたかっています。世論が動けば、政治がかわる、息長くたたかい続けよう、それが現場にいるみんなの気持ちだ。