天津在日殉難烈士紀念館を訪ねて(9)

 愛知県の大府飛行場(東海市大府市)滑走路拡張工事で亡くなった地崎組の被害者・宋学海さんの遺骨箱についても聞きました。

 

 ――地崎組の遺骨箱は、中身が入っていないものが多いとのことでしたが、宋学海さんの遺骨箱はどうですか。

 その人の遺骨箱が空かどうかはわかりません。 

 ――なぜこういうことを聞くかといいますと、弟の宋殿挙さんの話では、「労工の仲間が遺骨を持って帰り、帰国報告に威県政府に行き、そのとき持っていた遺骨を預けた。遺族に連絡があって受け取りに行き、村を挙げて葬式がおこなわれた」とのことでした。ところがこの紀念館にも遺骨があること知り、宋殿挙さんに再びお会いしたときにお墓のことを聞きました。その答えは、「近くの村の若い女性がなくなったときに死親をおこなったことは以前にもお話ししましたが、そのときに遺骨を見ました」とのことでした。それで、家にも紀念館にも遺骨があるのはどういうことだろうと疑問を持ちました。

 

 こういう話をしたうえで、宋学海さんの遺骨箱前にして、箱をを開けてみることはできませんので、空箱かどうかを確認するため、箱を振ってもらいました。たしかに、カサカサッというような音が聞こえました。