地崎組石門・済南隊の31名の死亡事情について(15)

   南氏の依頼に基づいて劉氏は、地崎組伊屯武華出張所の李成、鄗書建、王洪三、宋紀憎、謝運興、闞照禄6名について2013年10月8日―17日に天津市の殉難烈士労工紀念館および6名の出身地と思われる河北省邢台県と山東省寿光,临朐,临淄,博兴,莱芜,莱阳県(市)を訪問し、調査しました。

1.183番李成 名簿に記録された住所に基づき河北省邢台県を調べたが、「張河邱村」も似たような名称の村もなく、当該人物は見つかっていません。

2.296番郭(鄗)书连(建)、484番阚照禄、494番王洪三の3名は見つかりませんでした。

3.364番谢云(运)兴、479番宋纪曾の遺族が見つかりました。家族は遺骨を受け取っていません。

4.なお、この調査期間に402番、411番、478番3名の遺族と住所を見つけました。みな地崎組大府出張所の人たちでした。

5.天津労工紀念館での調査結果ですが、6名は、名前が記録されているだけで、彼らの遺骨はありませんでした。管理人は「地崎組の労工の大部分は遺骨がありません」と言っています。

 西本願寺幌別院の遺骨遺留品整理簿に記載されている中国人6名の遺骨が中国に届けられていれば、別院に残されている3つの骨壺はすべて朝鮮人の遺骨ということになります。上記の劉氏の調査では、「6名は、名前が記録されているだけで、彼らの遺骨はありませんでした」ということであり、遺族のもとに渡った可能性もあることから劉氏は、遺族の調査もおこない、364番谢云(运)兴、479番宋纪曾の遺族を見つけ、遺骨を受け取っていないことを確認しましたが、他の死亡者の遺族は見つかっていません。したがって、現段階では、完全な答えはえられません。劉氏は、「天津労工紀念館には、遺骨を受け取ったとき、どこに遺骨を持って行ったかの記録があります。必要であれば、調査します」と述べています。