沖縄戦国家賠償訴訟 最高裁が棄却

 最高裁判所第三小法廷は2018年9月11日、沖縄戦国家賠償訴訟について上告棄却を決定しました。棄却理由は、「(上告者は)違憲をいうが、その実質は事実誤認又は単なる法令違反を主張するものであって、明らかに上記各項に規定する事由(民訴法312条1項文は2項)に該当しない」としています。裁判官全員一致の意見。

 被害者らは、米日両軍がおこなった地上戦により、多数の一般住民が犠牲となったが、①旧日本軍の行った軍事的公権力の行使である戦闘行為が、特別な危険を創出した②日本軍による住民をスパイ視し殺害、避難壕追い出し、壕内で泣き叫ぶ乳幼児を殺害するよう親に強制するなど、戦争遂行中とはいえ、国民保護義務に違反する不法行為が多数行われたこと③長期間にわたり救済法を制定せず、被害を放置し続けた不作為の違法ーを問うてきました。立法不作為については、人権侵害の重大性と継続性、立法義務の存在、合理的期間を超えていることを指摘し、2005年に最高裁が在外日本人選挙権剥奪違法確認請求事件で違憲と判断した3要件を満たしていると主張しています。

 沖縄戦訴訟弁護団は、抗議声明を出す意向です。