辺野古新基地建設に伴うサンゴの移植問題(3)

(3)沖縄県への報告の遅れを県は批判
 沖縄県にはその翌日の9月28日に説明した。翁長知事は、「環境保全の視点を欠き、工事を優先する姿勢は大変遺憾だ」と批判し、▽サンゴの発見は7月だったが県への報告がなかった▽事前協議なくK9護岸に係船機能を持たせた施工をしている-ことを問題視し、サンゴの保全対策とK9護岸の実施設計に関する協議が調うまで工事を実施しないよう求めた。
 県が沖縄防衛局に出した抗議文書は、留意事項に照らして不適切な内容として、「(1)事前協議が調わないままに工事に着手し、事業実施区域内で確認された環境省版海洋生物レッドリスト対象の2種14群体のサンゴ群体が7月に確認されたことについて県に報告しなかったこと。また、その保全対策を県と協議しなかったこと。(2) K -9護岸の施工において、事前協議を行わずに、当初の目的にはない係船機能を持たせた施工をしており、実施設計協議で示された設計内容と異なっている可能性があること」を指摘した。そのうえで、「(I)工事に係る県の立入調査に対し、速やかに応じること。(2) サンゴ類の環境保全対策について県と協議し、協議が調うまでは工事を再開しないこと。(3) K -9誕岸を桟橋として使用して海上運搬を行う件について、実施設計及び環境保全対策等について県と事前協議をやり直すこと。また、協議が調うまでは海上運搬を実施しないこと。」の3点を求めた。