K9護岸工事は本体工事ではなく仮設工事だった 北上田氏が解明

 

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 8月3日、辺野古のゲート前で、北上田毅さんからK9護岸工事は防衛局資料では本体工事ではなく、仮設工事であることが分かったと聞いた。「情報開示請求で入手した防衛局とK9護岸の受注業者の間で作成された『仮設工事 詳細施工計画書』では、『仮設工』と書かれていた」という。
この「本体工事着工」という言葉は、4月25日に沖縄防衛局が工事開始のセレモニーを工事現場で行い、メディア各社にこのニュースを流させたことから出回った。過去にも「本体工事」と報道されたが防衛局の設計概要では仮設工事となっており、県民に本体工事が始まったのだからもう引き返せないと思わせる、印象操作が行われたことがあり、それと同じじゃないのかという人も、当然ながらいた。それが正解であることが明らかになったのだ。 
北上田さんは、「護岸本体工事が進んでいる」ということを見せつけて、県民の諦めを誘うことが目的であることは明らかで、今行われているK9護岸工事は、仮設工事であることを覚えておいてほしい、今、工事を止めるために行動することが大事だと力を込めて語っていた。
 北上田さんは、その入手資料で判明したこととして次の2点をあげた。
1.K9護岸工は、当初から100mだけの施工が、「仮設工事」として予定されていた。現在、ちょうど100mの施工が終り、「仮設工事」は終了した。当面、100m以上に延長されることはない。
2.本来なら、基礎捨石の両側に被覆ブロック(9トン)を置き、海側に大量の消波ブロック(20トン)を置かなければならないが、今回の「仮設工事」では、基礎捨石の両側に根固用袋材(4トン)を置き、南側に消波ブロック(12.5トン)を設置している。このままでは本来の護岸とはならず、台風シーズンが終った後に、袋材、根固用袋材、消波ブロック(12.5トン)は全て撤去し、両側に被覆ブロック(9トン)を設置した上で海側に消波ブロック(20トン)を設置しなおすこととなる。
 北上田さんは、▽K9護岸工の石材搬入だけで大型ダンプトラック9000台が必要だが、まだ、それだけ大量の石材が搬入されていない▽工事用仮設道路も出来ていない▽被覆ブロック(9トン)は、2900個は必要だが、まだシュワブ内ではいっさい製作できていない―K9護岸に着工する準備はできていないこのような段階でなぜ、政府は、ともかく大浦湾に少しでも石材を投下しようとしたのかという問題を投げかけ、100mほどしか施工できず、大変な手戻り作業になることを分かった上で工事を強行したのは、もう引き返せないという諦めをつくりだすために行ったとしか考えられない、それは安倍政権の焦りだと指摘した。
 
 台風5号が沖縄本島に接近している。抗議船の船長の一人、仲本興真さんは、もうすぐフロートも陸に引き上げられるだろうと話していた。海では、台風に阻まれ、陸では毎日数十人がゲート前で抗議行動を行っている。この抵抗が、わけのわからない仮設工事を造り出したということだろう。