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米軍基地から流出したと考えられるPFOS(2)

  • 米軍の安全宣言で「県も合意」と歪曲情報

 こうしたなか、米太平洋空軍は1月24日付で嘉手納空軍基地内の住民に「水道水は安全だ」と宣言する案内通知を出した。通知では、県企業局が河川や嘉手納基地周辺から高濃度のピーホスを検出した経緯に触れて「米国環境保護庁の水道水の暫定健康勧告値(1リットル当たり200ナノグラム)を十分下回っている」と説明し、「県企業局と嘉手納基地の専門家は、北谷浄水場から給水される水は飲んでも安全であることに合意した」などと述べている。

 これにたいし県企業局の平良敏昭局長は、「何も合意していない」と反発。1月29日、県企業局配水管理課の石新実課長らが沖縄防衛局を訪ね、米軍からピーホス使用状況の回答を早期に得るようあらためて要請した。防衛局の説明によると、嘉手納基地が在日米軍司令部と調整しているため、県が求めた期限に回答が出せていないという。米太平洋空軍の通知で、県企業局と米軍が水道水の安全性を「合意した」との表現について、米軍は「県企業局の認識と一致したとの意味」と説明したという。

 

 ●残っているPFOS含有製品は使うと米軍が回答

 防衛局は、嘉手納基地の第18施設群司令官から2月17日付の回答文書を受けたその内容は、次のとおりである。

 1 この覚書は、平成28年1月21日付けで受理した沖縄防衛局からの質問に対する回答です。沖縄県企業局は、既存の合意に基づいて、引き続き、生産井戸においてサンプルを採取するために嘉手納飛行場へ立ち入ることができます。

 2 日本国の空港を含む、世界の全ての主要空港がそうであるように、嘉手納飛行場は、 過去において、水成膜泡消火薬剤のような有機フッ素化合物 (PFOS)を含む製品を調達していました。PFOS含有の水成膜泡消火薬剤は平成14年まで米国において生産されていましたが、現在は米国や日本国において調達することはできません。第18航空団はほとんどのPFOS含有水成膜泡消火薬剤を取り替えたところであり、今後も、引き続き、残存するPFOS含有水成膜泡消火薬剤を非PFOS含有製品に取り替える作業を実施します。

 3 嘉手納飛行場は、水成膜泡消火薬剤といった製品については、業界の標準的な慣行に従って使用しています。PFOS含有の可能性のある物質が漏出した場合、嘉手納飛行場消防隊及び漏出対応チームが積極的にその漏出をせき止め、環境にさらされる危険を抑えます。そのような場合、米側当局は、現行の合同委員会合意の定めるところにより通報をします。そうした場合の現地視察とサンプリングのための立入については、平成27年の日米合同委員会合意「環境に関する協定について」により決定されます。

 沖縄防衛局企画部の宮川均次長が2月18日に県庁を訪れ、県企業局の平良敏昭局長に回答書が届いたと報告した。

 平良局長は、残っているから使うというのは認められないとして、使用中止を求めた。

 この県の主張はごく当然である。むしろ、防衛局が米側に対して、県と同じように日本の法令を遵守するよう提起しないことが問題で、防衛局という機関が日本国民の生活を守る立場にまったくないことを示すものである。