読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

渡嘉敷健教授が明らかにした高江のN4供用による騒音状況

  •  琉球大学工学部の渡嘉敷健准教授が8日、県庁で東村高江へリ着陸帯におけるN4供用開始後の米軍機騒音の状況と氏の考察を発表した。
     高江住民らが着陸帯建設工事の差し止めを求めて那覇地裁に訴えていたが、地裁は暫定的な判断という性格をもつ仮処分申請に対して却下の判断をした。その理由は、被害者の被害を十分に立証する証拠が得られていないということだった。
     高江の騒音測定調査は現在2種類ある。一つは、防衛局が行っているもので、測定地点は、N4から約1・5キロ地点の牛道局での測定である。しかも提出されたデータは、1日の騒音の平均値である。これは被害実態を明らかにするうえで不十分であり、環境基準を満たしているという主張を導くための操作をおこなったものとみることができる。もう一つの測定は、渡嘉敷氏がおこなっているものである。
     渡嘉敷氏は、裁判所に意見書を提出し、高江の騒音の被害状況データを提出した。その立場から、「今年6月のオスプレイの訓練が激しかった今年6月の1カ月の測定データを出している。裁判所はそこを見ていないのではないか」と、裁判所の判断に疑問を呈した。そのため、「裁判所に意見書を出したときは、その内容を公開しにくかったが、こういうことが出たのでメディアのみなさんにも内容をお伝えしたいと思い、公表の場を持ちました」と発言された。

 以下、そのとき渡嘉敷氏が配布したペーパーの一部を紹介する。

1 北部訓練場周辺地域における騒音被害の状況
北部訓練場周辺地域において騒音測定を実施するに至った経緯
 本測定は、東村高江住民の要望があり、高江集落に近い N4着陸帯にオスプレイ他のヘリコプターの運用が開始されたことで騒音が激化している事を騒音レベルで、確認することを目的としてN4着陸帯から約647m 離れた安次嶺宅庭先 (以下測定点 1とする)に置かれたバスの屋根に三脚に騒音計マイクロホンを全天候型風防に設置(地上約 4m) して騒音及び低周波音測定を開始した。
 その後、東村教育委員会の要請(平成 27 年 11 月)で東村高江小中学校の構内外部手洗いの屋上(以下測定点 2とする)に三脚に騒音計マイクロホンを全天候型風防に設置(地上約 4m) して騒音及び低周波音測定を開始した。その後、N4 着陸帯から約571m 離れたブロッコリーハウスコンテナー屋上(以下測定点 3とする )に高江住民の会の要請(平成 27 年 12 月から平成 28 年 2月)で、三脚に騒音計マイクロホンを全天候型風防に設置(地上約 3.5m) して騒音及び低周波音測定を開始した。現在は、同じ場所において精密騒音測定器に変えて現在も測定を継続して行っている。

3 測定地点の選定
測定点 1  N4着陸帯から騒音測定場所安次嶺宅まで:647 .1 9m
測定点2  N4 着陸帯から測定点高江小中学校まで1.69km
測定点3  東村高江ブロッコリーノ入ウス測定場所 :N4着陸帯からの距離 571.73m

3.1 騒音レベル
 マイクロホン設置場所は、平坦な地面上等とし、高さは1. 2m~ 1. 5mとされているが、今回の測定においては低周波音測定において建物による反射、遮音の影響が少ない地点を選定し、構造物場の上に設置したため、測定点 1では地上約 4m、測定点 2では地上約 4m、測定点 3では地上約 3.5m とした。
 受音面を上向きに設置し、測定点 1では周りの建物から約3m離れておいた。測定点2では測定点が回り半径約 10m最も高い場所に設置し、建物による反射、遮音の影響が少ない地点を選定した。測定点 3では N4着陸帯方向に樹木が約 2mに接近しているがそれ以外の方向は周りより最も高い場所に設置し、建物による反射、遮音の影響が少ない地点を選定した。

3.2 低周波音レベル
 屋外の測定点の選定にあたっては、暗騒音レベノレが高くて対象となる低周波音が精度良く測定できない場所や建物や地形による音の反射、遮蔽、回析によりごく局所的に音圧レベルが変化するような場所は避けた。
 マイクロホンの高さは、3. 1騒音レベルと同じである。
 風の影響とマイクロホンの保護のためすべての測定において風雑音減少効果の高い全天候型防風スクリーンを使用した。

防衛局東村高江牛道局と東村高江ブロッコリーハワスでの Lden の比較
考察
 2016 年 6月一月の東村高江ブロッコリーハウス ( 表 3) の Lden を計算した結果は、 64 . 1dB になった。防衛局東村高江牛道局(表 2) の Lden は 53 . 8dBと報告されている。 それを表 3に示した東村高江ブロッコリーハウスの Lden比較を行った。
 ここで、航空機騒音評価から地域類型については次の様に示されている。
地域類型 1: WECPNL70 以下→Lden 57 以下、地域類型 II : WE CPNL 75 以下→Lden 62 以下である。防衛省は、住宅防音工事の対象を第1種区域法( 4条) WECPNL75 以上としている。今回の調査において、Lden : 64.1dBはWECPNLに換算するとWECPNL77 . 1となる。つまり、定点3のブロッコリーハウスのある高江地区は、WE CPNL75を超えていることから、第一種区域の防音工事対象エリアであると考えられる。つまり、実測調査を行った、高江ブロッコリーハウスでの騒音測定結果から計算で得た、Lden=64. 1 dB は、 WECPNL= 77 . 1dBとなる。牛道局より10 dB 以上も大きな値であることから、政府が言う環境基準値を満足していると言う説明はまだ早すぎると考える。測定箇所をもっと増やし更に測定を継続調査する必要があると考える。

7 まとめ
 北部訓練場ヘリコプター着陸帯移設事業(仮称)環境影響評価図書の中のヘリコプター騒音 ( 単発騒音暴露レベル)予測コンターと現地実測調査データとの比較では、予測値より大きな値が測定されている。また、ヘリコプター低周波音の予測値と現地実測調査データとの比較でも参照値の閾値より大きく上回る値が測定されている。さらに、政府が、国会で言う環境基準値を満足していると言う説明に反して、現地実測調査データとの比較でも訓練が激しいと住民から指摘があった平成 28 年 6月一か月の Lden が防衛局が測定した牛道局 53 . 8dB より10dB 以上大きな値の 64.1dB と計算された。ここで、Ldenが大きくなった理由を説明すると次の様になる。
1.測定場所が N-4 着陸帯に近いこと。
2. 測定点上空でも航空機が飛行訓練しているため騒音レベルが大きな値であること。
3. 訓練が夕方や夜間にも多く行われていること。
 つまり、3の訓練が夕方や夜間に行われることで、時間帯補正の夕方+5dB 、夜間+10 dB となるためLden が大きな値になると言う事になる。政府が言う環境基準を満足していると言うからには、夕方や夜間の訓練は行わないことを明確に米側に要求する必要があると考える。

 本来ならデータを含むすべてを掲載すべきだが、データのアップが困難であったことから省いてしまったことをお詫びしたい。