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機動隊員の差別発言と沖縄県議会(4)

 もう一方の自民会派の「高江現場における不穏当発言に抗議し警備体制の改善を求める意見書(案)」は、次のとおりである。

 

 今般のヘリパッド建設現場周辺における警察官による「土人」発言は、不適切なものであった。この件に関し、沖縄県警察本部も19日に謝罪し、当の警察官も処分された。
不当な差別的言動はいかなる者に対してもあってはならない。差別的言動をなくすためには地道で粘り強い啓発活動を通じて、社会全体の人権意識を高め、こうした言論は許されないことであるという認識を醸成することが必要かつ重要である。
 しかし、今回の発言は県民に向けられたものではなく、県民への差別発言でもない。
ヘリパッド建設をめぐる反対住民の言動がエスカレートし、現場は混乱状態・無法地帯と化していることも県議会本会議や委員会で明らかとなった。その内容は、反対派による警察官に対する次のような発言からも明白である。
 ①「お前は心が歪んでいるから顔も歪んでいる」、②「米軍の犬、政府の犬、安倍の犬、人殺し、デブ、豚、熊」、③「お前ら、顔覚えているから、街で会ったら覚えておけ。死んでいるから」、④「次会ったときは殺し合いのケンカだ」「お前の顔と家族の顔をネットで世界にアップしてやる」「孫の代までの呪ってやるからな」、⑤「お前、八つ裂きにしてやる」「お前の家は判っているぞ、横断幕を設置してやる」「お前らは犬だから言葉は判らないだろう」 「大阪の人間は金に汚いよね」、⑥「子どもはいるか。人殺しの親め」「お前が戦争に行って死ね」、⑦「火炎瓶や鉄パイプで闘う方法もある」、③「お前ら、人殺しの子どもは人殺しだ」「お前らを殺し、俺も死ぬ」「俺は死ぬときはひとりでは死なないからな」「街を歩くときは後ろに気をつけろ」などの暴言の数々が事実となっている。
 こうした警察官の人格、尊厳を傷つける暴言は問題とせず、警察官の発言のみを取り上げることは、余りに一方的と言わざるを得ない。沖縄県において、各種の反対運動を行う権利が保障されているとはいえ、異常な事態が続いていることは看過できない。
 現状を放置することは、職務とはいえこれまで県民を初め地域住民を守り、さらには反対派住民の権利をも尊重して、警備を行ってきた警察官の心身の健康を維持することが困難になることが懸念される。県公安委員長も県議会一般質問において、ヘリパッド建設現場を警備する県外機動隊を「撤退させる判断はできない」と断言したばかりでなく、警備範囲が広く、かつ昼夜を問わない体制の維持が必要であるとのことから「県警だけでは、十分な対応ができない」と言明した。
 以上の観点から、高江地区の秩序を維持し、反対派住民の権利を守り、地域住民の安全を確保すべく以下のことを強く要請する。
             記
1 現場警察官の不穏当発言防止の徹底化を図ること。
2 現場警察官の負担を軽減すること。
3 警察官の十分な休養と心のケアを行うこと。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
  平成28年10月28日
       沖縄県議会
国家公安委員長
警察庁長官宛て

 この意見書案のどこが「不穏当発言に抗議」しているのだろう。謝罪し処分も行われたのだから機動隊員にたいする抗議はもういいではないか、それより違法行為を繰り返す抗議関係者の方こそ問題にすべきだ―というのが基調になっている。「現場は混乱状態・無法地帯と化している」とまで断定している。抗議活動に対する異常なまでの憎悪がその根底にあると言わざるを言わざるをえない。
 10月24日の総務企画委員会で次のようなやり取りがあった。自民委員の一人が、機動隊委の発言の前の状況を説明するように県警に水を向けると、県警はここぞとばかりに機動隊員が受けた悪罵を並べ立てた。問いと答えのすり合わせが行われたうえで、質問がされたのだろう。そして、こう宣言する。「体制の維持が必要である」。

 どんな違法行為、無法行為を犯しても工事を強行する安倍政権の完全な代弁である。