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機動隊員の差別発言と沖縄県議会(2)

 警備部長のこの説明は、一見、客観的な事実を述べているように見えるかもしれないが、あとで見るように自民党の悪質な質問を誘発する。そして、機動隊員も悪いが抗議市民も悪い、「売り言葉に買い言葉」という結論的なものを導き出し、差別発言の本質と、ヘリパッド建設反対の声を封じ込めてしまおうとする政治的意図を覆い隠してしまう。
 問題発覚直後、翁長知事は、池田県警本部長に厳しい抗議を行った。それは短いやり取りの中に沖縄の視点を凝縮して表現している。そのやりとりを、琉球新報(10月21日)によって押さえておこう。
 知事 大阪府警の機動隊員が大変残念な、不適切な発言をした。沖縄県民の感情を逆撫(さかな)でするような、あるいは悲しみに陥らせるような言葉だった。
 本部長 2人の発言は極めて遺憾で、残念なことだ。火曜日に発言があるかもという報告を受け、まさか言うわけないと思っていたが、夜、動画を見て驚惇(きょうがく)した。発言によって傷つけられた方、県民の方に対して深くおわびを申し上げたい。県警にも大きな責任がある。
 知事 こんな言語道断なことはなく、到底許されるものではない。強い憤りを伝えたい。県民に対しての姿勢があるが、その裾野はとても広いのではないかと思う。指導はどの程度行ったのか。
 本部長 6都府県から応援を受けている。それぞれの都府県で、けが人を出さないこと、抗議参加者と作業員とのトラブル防止、地域の交通の安全重視ということを指導している。沖縄に来てからは、抗議行動の資料を見せて冷静沈着応と指導している。しかし結果としてこのようなことが起きたので、見直すとか、不足があったのではと考えなければいけない。
 知事 沖縄が置かれている戦後の歴史、基地の集中、いかに米軍の犯罪があるかなどの視点がなかったのではないか。
 本部長 沖縄戦の歴史や、基地の集中は当然来る警察官には話している。しかし、これで足りていたのかということについて考えていきたい。
 知事 県民が感じてきた「魂の飢餓感」の上にブスンと傷つける言葉が今回の二つの言葉だ。県警本部長の議会答弁は端正な、理性的な話で淡々と答弁されていた。淡々とすればするほど、現場の状況を理解しない中で話しているのではないかというのが結果として現れてきたので、ぜひしっかりと対応してほしい。