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機動隊員の差別発言と沖縄県議会(1)

 沖縄県議会は、現在、高江工事現場での機動隊員による「土人」「シナ人」発言に対する抗議決議をめぐって与党会派と自民党会派が激しい論戦を繰り広げている。
 まず、これら差別発言の事実関係を確認しておこう。10月25日の県議会総務企画常任委員会での県警警備部長の説明は、次のとおりである。警備部長は、おそらく市民が撮影した動画ではなく、県警採証班が撮影したビデオで確認して報告したのだろう。警察当局の報告も厳密な検証を行うべきだが、その材料は持ち合わせていないので、いまのところ、この報告に依拠することにする。警備部長の説明は、問題発言がでたときの状況はだいたい確認できるが、問題に対する認識や、県警があくまで工事を強行する立場を擁護していることなど、批判されなければならないことが多数含まれているということを引用する前に指摘しておきたい。
 <警備部長の経過説明>
 「県警察が北部訓練場ヘリパッド建設に反対する抗議活動を行っている市民にたいし、警察官による不適切な発言があった件について説明いたします。まず初めに、今回の件につきましては、警備を指揮する県警察にも大きな責任があるということから、発言によって傷つけられた方、それからまた、県民の皆様に対しまして深くお詫びを申し上げます。
 それでは事実関係につきまして説明申し上げます。10月18日につきましては午前8時ころから抗議参加者数十名がN1地区出入り口前で抗議集会をおこなっていましたところ、同日午前9時ころから、同所に右派系市民グループ関係者数名が押し掛けたため、抗議参加者と口論になるという状況がありました。そのため大阪府警察の機動隊員数十名が両者の間に入りまして、事件やトラブル等の防止に当たっていましたところ、抗議参加者に対しまして右派系市民グループの関係者が「シナ人帰れ」などの発言を繰り返しておりました。そのようななか抗議参加者らをN1地区入り口南側の道路わきに移動させまして、同所における通行と関係者の安全を確保していましたところ、抗議参加者らは大阪府警察の機動隊員に対し、執拗に「弾圧やめろ」などと抗議を続けており、午前9時28分ころ、その中の、おそらく関西出身と思われる抗議参加者が機動隊員の一人に対しまして「目が血走っているぞ、交代しろ」「むきになりすぎてんだよな」などと話しかけ、さらに「公権力を行使するときにはな」と言い始めたところで、隊員の方が「黙れ、こら、シナ人」と発言しております。今回の発言につきましては、右派系市民グループ関係者と抗議参加者らとが激しく対峙する中で、右派系市民グループ関係者の言動に影響された面は否めませんが、いずれにいたしましても不適切な発言と認識しております。
 また同じ日の午前9時43分ころから、抗議参加者数名がN1地区の出入り口付近の斜面にあがりまして、フェンスをつかんで手で揺らしたり、激しくたたいたり、乗り越えて進入する旨の言動があったことから、抗議行動参加者らが提供施設内に進入しないようフェンス越しに大阪府警察の機動隊員10数名が警告するなどの対応をしておりました。そのようななか、抗議参加者らは警告に従うことなく、フェンスを激しくたたきながら「基地やめろ」「おい、大阪府警立ち去れ」「おい、ふざけるな」などと発言したことなどから、午前9時47分ころ、隊員の一人が「早く立ち去りなさい。立ち去らないかい、こら。触るな、こら。どこつかんどるんじゃボケ、土人が」などと発言したものでございまして、不適切な発言であると認識しております。

 県警察ではこれまでにも、派遣される警察官に対しまして、沖縄県の歴史を含めて基地問題の経緯等について説明したうえで、警備の現場においては、けが人をださないこと、抗議参加者と工事関係者とのトラブル防止、地域の交通安全の重視とともに、常に冷静沈着かつ丁寧な対応を心掛けるよう指導してきたところであります。しかしながら今回の発言に至ってしまったことについては、きわめて遺憾であり、残念な思いであります。県警察ではこれまでの指導等について、虚心坦懐に見直しまして、二度とこのようなことがないよう、改めて指導を徹底してまいります。」