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歴史教科書に真実を 県民大会から9年

 9月29日、那覇市の教育福祉会館で「9・29県民大会決議を実現させる会」主催の集会があった。大会から9年たつから、11万6000人が集まった大会であったことはすぐに思い出せても、その内容をつぶさに思い出すことはなかなかできないことだと思うので、その内容から確認しよう。
 2006年度用の検定は04年度に実施されている。05年度検定は高校の主に1年生用の教科書の検定が実施され、日本史教科書でも、「集団自決(強制集団死)」が日本軍による強制によるものとされた従来通りの記述が、検定に合格していた。それが06年度の主に高校2年以上用の検定中に、第1次安倍政権が登場し、「集団自決」が日本軍によるものとする従来通りの記述の書き換えを強制した。そのことが、07年4月初めに発覚し全沖縄の抗議となり、同年9月29日の県民大会に至ったことで、改めてケラマ諸島での「集団自決」の実相が明らかにされ、沖縄戦は3月から始まっていたことが周知のこととなった。
 集会で、琉球大学高嶋伸欣名誉教授は、大会が開かれた時の熱気を、昨日のことのように熱く語られた。
 <大会実行委員長は、仲里利信県議会議長(現衆院議員)で、事務局も県議会の一室にあった。ビラができたので取りに来てくれというので、行ってみると大量のビラが積まれていた。24万枚あるという。こんなにたくさん配れるのかと思っていたが、あっという間にたりなくなって増刷になった。各学校が子どもたちに配るからと持って行ったのだという。それで市民団体が配る分がなくなり、追加になったということだった。校長会でも、県民大会に参加したい教員には、最大限、配慮をという話もされた・・・こんなこと、他県では絶対ないでしょ。この問題だけは、保守も革新もない、島ぐるみだ、と盛り上がっていた。>
 その仲里さんも意気軒高。「沖縄の基地は銃剣とブルドーザーでつくられたが、今は、機動隊や自衛隊ヘリが使われている」と安倍内閣オスプレイパッド建設強行を厳しく批判した。私の想像だが、仲里さんは、9年前、安倍によって沖縄県民の心情を踏みにじられ、怒りをたぎらせたことを鮮明に思い出されたのではないか。「スクラムを組み、県民の団結を」、そして安倍を政権から引きずり下ろそうと。
 それにつけても、大会後、「実現させる会」をたちあげ、毎月、学習会を開き、文科省や教科書会社、執筆者に要請を続けてきたという。教科書に真実を、子どもたちに沖縄の歴史を伝えたいという熱情に敬意を表して乾杯!
 集会では二つのことが掲げられた。一つは、「集団自決(集団強制死)」という記述の復活。いま一つは、沖縄戦の開始時期について。沖縄戦に関する記述を4月1日の本島上陸戦から始めれば、3月23日から始まった艦砲射撃も、3月26日に慶良間諸島上陸戦がはじまったことなどが、抜け落ちることになる、とりわけて大きな犠牲が出た「集団自決」が見落とされてしまう、これは沖縄戦の本質的な理解にかかわる問題である。それゆえゆるがせにできない「歴史の歪曲」となるのである。この根本のところを押さえないと、「大した問題じゃないんじゃないの」となりかねない。