高江オスプレイパッド建設差し止め訴訟(1)

 9月21日、高江住民33人がオスプレイパッド建設工事の差し止めを求めて、那覇地裁に提訴した。高江区の31人と国頭村安波区の2人である。横田達弁護士は「四つのオスプレイパッドが完成すると、騒音がひどくなり、日常生活に支障を来す。その前に、建設を差し止めたい」と訴えた。
 これまで米軍機騒音訴訟では、損害賠償は認められたが、飛行差し止めはできなかった(厚木爆音訴訟では、自衛隊機の飛行差し止めは認められたが、米軍機には国内法は適用しないとして飛行差し止めは認められなかった。ただし、その自衛隊機差し止めについて近く最高裁が見直すとしている)。高江住民は、新たに四つのオスプレイパッドが完成し、バイ軍が使うようになれば、もう高江で住み続けることはできなくなるから、賠償では意味がなく、飛行差し止めでなければならないと考えている。米軍機の飛行差し止めが日本の法律でできないのであれば、オスプレイパッドが完成する前に工事を止めさせるしか救済される道はないことから、いま、工事差し止めを求める裁判を起こすしかないとの結論に至った。
 池宮城紀夫弁護士は「高江では、地域の住民の人権を無視して、やりたい放題、突貫工事がなされています。自然を破壊し、高江の150人の生活を破壊している」と指摘し、差し止めの重要性・緊急性を強調しつつ、防衛局の数々の違法な工事の進め方についても裁判の中で厳しく追及し、やめさせたいとしている。
 なお、「オスプレイパッド」という用語について訴状では、「公文書等において、『ヘリコプター着陸帯』と記載され、一般的にも、『ヘリパッド』と呼ばれることが多い。この点、本件原告らに現に深刻な被害を及ぼしている機種の中心は『MV-22オスプレイ』と呼ばれる機種であり、本件工事が完成すれば、同機種による訓練が激化し、それに伴い原告らへの騒音被害もが激化することになる。そこで、本件で建設差止を求める『ヘリコプター着陸帯』については、あえて『オスプレイパッド』と呼ぶこととするが、各センテンスの文脈によっては、適宜『ヘリパッド』という用語も用いる」と断っている。