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「沖縄戦」控訴審始まる(3)

 「沖縄戦」訴訟控訴審第1回口頭弁論で瑞慶山茂弁護団長は、訴訟の目的について、次のように述べた。

 沖縄には昔から「命どう宝」という至言があります。人の命は何よりも尊いもの、至宝であるという意味です。先のアジア太平洋戦争末期における「沖縄戦」においては、無辜の沖 縄一般住民15万人をはじめ、日本軍人、米軍人など数え切れない人の命が奪われました。
 国から謝罪も補償もなく放置されている原告ら沖縄戦の民間生存被害者は、戦後71年余の現在、平均年齢が80歳を超えており、残された人生にはほとんど時間がありません。戦死者の霊を弔い、自らの悲惨な戦争被害にけじめをつける人生最後の深い思いを込めてこの裁判を提起したのです。
 原告らは、戦争で死んだ人、傷ついた人の人間性(尊厳)を回復するための人生最後の行動として、「沖縄戦」の戦争被害につき「命どう宝」の至言のもとに、被告国の謝罪そしてその証としての国家補償、そして恒久平和確立のために本件訴えを提起しました。原告らは、主義・主張・宗教・信条・政党支持も違いますが、一致団結して訴訟を提起しました。

 

 地裁判決の内容を簡単にまとめると、次のようになる。
○原告らが主張した国の不法行為責任及び行政法上の無過失の危険責任について、判決は戦前明治憲法下で国の行為については責任を負わないとする、いわゆる国家無答責論などにより、国の責任を否定した。
○戦争被害者を救済する新しい法律を制定しなかった立法不作為責任については、新しい救済する法律を制定するか否かは国会の自由裁量によるものであるから、国には責任がないとした。
○総額60兆円が補償された軍人軍属・準軍属と、補償ゼロ円の原告ら一般民間戦争被害者との天と地ほどの著しい格差について、憲法上の法の下の平等原則違反と原告らは主張したが、判決は、その格差は合理的な範囲のものであり、憲法上の法の下の平等原則に違反しないとして否定した。
○原告らが主張した原告らと同じ沖縄民間戦争被害者の一部について、戦闘参加者として認定して救済して、その補償額が推定最高額6500万円の受領者と補償ゼロ円の原告らとの差は憲法上定める法の下の平等原則違反と主張したことに対し、合理的な範囲の差であり、憲法違反ではないと判断した。
○無差別の艦砲弾射撃、沖縄10.10無差別大空襲、潜水艦による対馬丸撃沈事件に関する アメリカ軍の軍事行動の国際法違反の主張については、判断を回避した。