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裁判より協議優先 係争委結論を受けての翁長知事の方針について(4)

【知事記者会見】
 ―和解条項では訴訟が予定されていたが、現時点では訴訟は予定されていないのか。
 知事 簡単な要旨は聞いたが、想定外でございまして、判断はあるものだと思っております。想定外のなかでコメントでのべましたように、改めて内容を精査し、また、弁護士の先生と相談しながら今申し上げた内容で、何よりも協議を、しっかりとすることが大切だろうというような思いを私なりにもっております。
 -和解条項に沿っているのか、外れているという判断か。
 知事 和解勧告の中でも、一番重きを置かれているのは、双方協議をしてしっかり対応しなさいということがございました。ですから協議をするという姿勢においては、今回の国地方係争処理委員会が出したこの中身も、国と地方の関係等々これから考えていくと、しっかり整理をして、協議をして、その中から打開をしていってもらいたいというようなことだと思いますので、和解勧告と国地方係争処理委は必ずしも一緒ではないんでしょうけど、協議をするということに重きを置いて、この問題を解決しなさいということについてはつながっているのかなと思っています。
 ―ちょっと先の話になるが、協議の結果、最終的に折り合わない場合に県側として、改めて和解条項にあったような訴訟を起こすということも知事としては選択肢としてまだ持っているのか
 知事 協議をするという気持ちを持っているということは、折り合わないというようなことを想定しては、協議はできませんので、基本的に協議をするということをベースにしながら、また日時がたってからその時々で判断をしていきたいと思います。
 ―どのようなレベルで、タイミングで政府との協議を持たせたいとお考えか。
 知事 これは法律的なことや時期的なこともあると思いますので松永先生から。
 松永 特に法律的に期間に区切りがあるというものではないと考えております。
 ―国は協議に消極的なようだが
 知事 防衛大臣の思いというのは、ことばだけで推測することは、申し上げられない。
 松永 和解条項は、委員会が是正の指示を違法でないと判断した場合に不服があれば一週間以内に訴訟を提起すると書いてあります。違法ではないという判断はされておりません。県としましては係争委の判断を重く受け止めておりますので、係争委の判断に不服であるという対応ではありませんので、この違法と判断した場合には該当しませんので、なぜ防衛大臣が発言されるのか不思議なところですけれども、そこは条項をよく確認されておられないのかなと思っています。
 ―国が違法確認訴訟をする可能性も指摘されている。
 知事 国のあるべき姿まで私たちが申し上げるべきかどうかはちょっと考えるところではありますが、国地方係争処理委員会が地方自治と国との関係とたいへんかい離があると、そこに判断するということについては、そういった意味合いでの解決にはつながらないと話をされておりますので、係争委がその中で出した双方が協議をする中からある意味で現実的に積み上げていくものがあるのではないかという意味からしますと、私たちは、去年の集中協議とか、いろんな議論をしてきたわけでありますが、十分ではなかったということも残っておりますので、そういった意味で協議を優先して県としては対応したいと思っている。国にもそうあってもらいたいですが、そうしてくださいなどということは、私から言うべきことではないと思っております。
 ―国地方係争委は違法ではないと判断していないということだと思うが、和解協議で決められたプロセスが変わってきたということになるが、県として和解協議の拘束力は生きていると考えるか。
 松永 和解条項の効力が失われるというものではないと考える。和解条項は手続きを創設するものでもなんでもなく、地方自治法にもとづいてこういう手続きを取った場合に、たとえば30日の期間であるところを7日でやりましょうとか、この手続きが取られてこう進んだ時には期間はこうしますよというようなことが定められているだけなので、それに乗ってこないときには地方自治法に従っていくだけの話であって、和解条項と矛盾するとか、外れるとかいう問題ではない。地方自治法に従って30日以内から7日にするとか、この場合は縮めますよというだけの話ですので、手続きは和解条項で創設されているわけではありません。ですから、それ以外のところに行けば地方自治法に従って判断されるだけのことです。
 ―国地方係争委が今回判断をしないと結論を出して、知事が取り消しをして国交大臣が是正の指示を出した状態に戻ったかと思うが、県として是正の指示にしたがえないというような意思をあらためてするのか、知事の承認取消がどういう状況になっているのか。
 知事 私の気持ちとしては協議をしっかりしていくことはベースにしなければいけないと思っております。
 松永 取消の効力は、取り消されている状態にあると認識しております。是正指示に従わないという意思表示をするのかしないのかというのは、この問題について、協議のなかで判断していく問題だと思います。現時点で取り消すということは言っていないわけですから、是正の指示の問題をどうするのか、どういう形で話し合いをするのかは今後協議されていく問題だろうと思います。
 ―地方自治法に戻るだけの話だということだったが、1週間以内ではなく、30日という認識でよいか。
 松永 仮に県が提訴するとなれば、地方自治法上の期限という問題になりますけれども、提訴を前提に考えるものではなく、協議を考えるというのが係争委が示されたことだと考えている。
 ―「法廷闘争ではなく」と書いてあるが、法廷闘争は望ましくないと考えているのか。
  知事 官邸で話すとき、(政府からかえってくる言葉は)杓子定規な言葉だけで、私の方は、思いをもってたくさん話をしたんですけれども、それがないまま法廷闘争に入っていった。こういう中で、法廷闘争は法廷闘争で、私たちは話をさせていただいて、県側の考え方をしっかり示す中で、こういう形で法廷闘争で解決をはかるべきものではなく、両者の真しな話し合いで解決すべきであるというのも、これも委員会を含め、法廷闘争を通じたなかでの、私たちの意見も聞きながらの思いだったのかなあということも思いながら、議論もしっかりやるというふうには思っておりますので、今このような形で報告をしているわけであります。
 -今後、沖縄県から提訴することはないということか。
 知事 具体的なことになりましても、今の時点ではなかなか見通しはないのではないかと思います。
 松永 現時点で法廷は好ましくないという考えです。しかし、それ以上申し上げることはできない。
 ―県側の意見を認めないということだが、不服ではないということか。
 知事 満足度というのはたいへん難しいところでありますけれども、私たちが申し上げたことが理解をされて、それが結論になるのが一番だと思いますけれども、(係争委で)今回長時間議論をやっていただいて、このような形で判断をされたということにはたいへん敬意を表したいと思いますし、(県にとって)議論を優先すべきだということも一つのプラスの情報と判断した。100点満点かといえば100点満点ではないが、プラスと考えた。
 ―提訴は前提ではないということだが、どういうことを受けたら提訴するのか。
 松永 今、こういうものがあれば提訴にふみきるというようなことは考えていない。
 -提訴の可能性は残っているのか。
 松永 われわれとしては、提訴という事態にならないような形で協議していくことが望ましいと考えているということで、条件を考えてこれがあれば訴訟だとかというようなことは考えておりません。
 ―これまで政府との間で集中協議が決裂になった。その後、法廷闘争があり、和解条項があった。ふたたび協議にもどるが、踏み込んで話をしていくべきかと考えておられますか。
 知事 話し合いという意味では政府と沖縄県の協議会というのが新たにできましたし、5年以内の運用停止についても、作業委員会もできています。ただ、まだそれが開催されるような状況ではないものですから、形は整っていますが、協議することはまだできていない。選挙などいろんなことがあるなかで時間をつくることの難しさがあると思いますので、とりあえず今日までは、その中身についての議論はされていないわけであります。私が去年4月に菅官房長官と直接1対1で話をして以来、約1年2カ月、その中でワシントンDCの対応もだいぶ変わってきておりますし、この1年有余の辺野古の状況等含めて、いろんな方々がいろんな意見をおっしゃることもあります。ですから、年月がたって行くと、それなりの判断、あるいは思い、そういう条件もでてきますので、協議をする中で解決に向けていくということは、今日までの1年有余の反省も含めて、周辺の状況も話をしながらつながるのではないかという期待は持っている。私なりには、世の中というのはかならず変化もでてくるのかなというふうには思っております。

 

 係争委の正式な結論は、24日には県に届いたようだ。上記の知事会見は、委員会の結論の概略に対するコメントだったが、県としての正式な見解をきょう(27日)、改めて記者会見で述べるという。大きく変わることはないと思うが、注目したい。