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裁判より協議優先 係争委結論を受けての翁長知事の方針について(3)

【係争委委員長と記者団の間での質疑応答】
Q 解決に向けて協議せよということだったが、これはいつまでとか、これまでもずっと協議をしてきて結論が出ていないという経緯がありますが、いつまで協議を続けるかという期限は設けているのか。
A 「協議をせよ」といっているという前提のもとでのご質問ですが、この決定書は「協議をせよ」という、そういう具体的な行為を委員会として求めるとか、あるいは提案するとか、そういう趣旨ではありません。内容はいま、読み上げたとおりですけれども、現状の段階が、これがあるべき形から逸れている。乖離しているということを委員会として認定し、それが望ましい状態ではないという見解を述べたというものです。したがって、どのように、いつ、どのような形で何を目標として協議をするのかというのは、これは両当事者のご判断の問題で、委員会としてはそれについては何もしておりません。
Q さきほど、共通の目標に向けて真摯に協議し、納得する結論を出すべきだとおっしゃられたが、これはそういうふうにしなさいということではなくて、するかどうかは県と国の判断に任せる?
A はい、委員会としては、この件について、さまざま審査をした結果、そのような認識、見解に至ったということです。
Q 3月に代執行訴訟を和解して、その和解の中で係争処理委員会をやって、その結果にかかわらず次に裁判に行くという流れがほぼできあがっていた。その中で今回判断を保留したということで、むしろ裁判に委ねようという考えなのか。そうすると逆に、係争処理委員会としての役割を十分果たしていないのではないかと思うが、そのへんはいかがか。
A 当委員会は、和解の当事者ではありませんので、和解条項の内容については、いろんな形で、いろんな手段を通して、承知はしていますけども、わたしたちがそれにしたがって行動すべきだという立場にはありません。委員会としては、あくまでもこの関与についての審査の申し出があったので、それに対していかなる答えをすべきかということを判断したということにとどまります。
Q 最初、国と地方にとって望ましい状態ではない、あるべき姿から乖離している、これはどのへんの部分を、そういうふうに判断、考えたのか。
A いま申し上げたとおりですが、さしあたりわたしたちのうちに突きつけられたのは、その是正の指示という関与ですので、それに至るまでの一連の過程を見て、それがあるべき形からは乖離している。このままでは望ましくないということを判断した。
Q 是正の指示自身は法律で定められたものだが、是正の指示をする前にしっかり話し合うべきだと、そういうことか。
A 個別のどの行為が、適法であったか、違法であったかということは、結論の中では、決めていません。おっしゃられたのは、是正の指示がその拙速であったとか、そういう評価をしたのかということだろうと思いますけれども、そういう個別の行為についての評価を委員会として決定したということではありません。
Q さきほど議論が深まっていないといわれたのは、それは地方自治法に定められている法定受託事務に関して国が関与するというのは、あらかたしっかり双方で話し合ったりとか、技術的なことで指導しなさいという方法があったと思うが、そうした法手続きが欠けているのではないかという認識でいわれているのか。
A まあそれも含まれるかもしれません。たしか今回の決定は、私たちの決定というのは、普天間飛行場の返還というところから、そこから出発していますかね。一連の過程を見た場合に、これは、十分な双方のこの議論の基盤づくりができないままプロセスが進んでいるのではないかという判断をした、そういうことです。
Q 和解が成立してから数日後に国が是正の指示を出したんですけれども、そのような手続きが拙速だったのか。
A いや、それは、わたくしたちは判断していません。
Q 両者がとりうる手段というのは、通常ですとその結果が出た上で、提訴の手続きが設定されているが、これに対しても同じように不服があれば県が提訴は可能ということですか。
A 裁判所に沖縄県側から関与の不服の訴えを提起できるかということですよね。そこは、最終的には裁判所が判断されることですが、わたくしたちの認識としては、これは委員会が審査をした結果をこのようにして、審査の結論をこうやって両当事者に通知しているわけで、それに対して不服があれば、それは審査の結果についての不服ということで、地方自治法の規定に従って訴訟が可能であろうというふうに考えています。
Q 協議が、国と地方自治体で協議しても、双方の対立が埋まらなかった場合にこの機関に申し出ができると理解しているが、その上で適否を判断するという役割を委ねられていたと思うが、こういった結論というのは、ちょっと限界だというか、役割を十分に果たせなかったのではないかという結論ですがそのへんをちょっと。
A わたくしたちは、審査の申し出に対して、どのように考えるのかということをしっかり検討し、意見交換をし、その結果こうしたわけです。これがまた、委員会としてとりうる最善の結論であろうということはさきほどの読み上げた中に書いてあるとおりです。
Q 一連の過程の中で十分に双方の議論の基盤ができていない中でプロセスが進んだということをおっしゃって、議論の基盤ができないままプロセスが進んだということで適法性について判断しない、二つの関係がいまいちわからない。要するに、基盤ができずにプロセスが進んだということと、対立を持ち込まれてきた、それで判断しないというのは結論とどういうふうに結びついているのか。
A そこは地方自治法の規定の解釈問題にもなります。全体の制度が、国の関与の適否を委員会が判断し、それを当事者に伝えることで、国と地方の対立、紛争を適正に解決する。そういう趣旨の制度ですね。今回のこのケースについては、そのような対応をしても、それは所期の結果は得られないであろうというのがわたくしたちの判断です。そういう場合に、それでもどっちかの判断をしなければいけないのか。そのことは決して両当事者にとってプラスになるわけではないのではないかと。全体としてですね、全体の状況を改善し、両当事者にとっていまよりも良い状態をもたらすためには役に立たないのではないかという、そういう判断があります。そういう場合にじゃあ、この委員会には、規定で明文では予定されていない答えをする、それしか意味のある有益な対応がありえないというときに、それをするという、例外的な措置ではありますけれども、それをする可能性というのは現行法の解釈上あるのだろうというふうに考えて、そのような決定をしたということです。
Q 今回、基本的には安全保障の基地問題というのがベースにあってやっているが、今回判断、適否を示さないというのは、案件が事実上安全保障問題に関することだからということは要因としてあるのか。
A そこはあの、いろいろ議論はしましたけれども、合議の内容にかかわりますので、深くは答えられません。
Q 県は違法性を問うていたが、なぜ結論がでないのかというのが一点と、出せなかったということになるのか。
A いまお答えしたことの繰り返しになると思いますけれども、出せなかったということではなくて、出すのが最善の道ではないということですね。判断を出すべきじゃないということです。
Q 違法性を問うということに対してはどういうふうに。
A ですから、これ違法であるという主張して審査の申し出をされたわけですよね。それに対して、もちろん、正面から答えたことにはならないということは、これはそのとおりです。でも、こういう答え方が、現行法上可能であり、それが最善の答え方であるということです。
Q 確認だが、今回、こういう判断が出たことで、是正の指示は失効していない?効力を失っていない?
A もともと委員会は勧告しかできませんから、是正の指示を委員会が取り消すということはもともとない。
Q そうすると沖縄県は係争委員会の判断を不服として裁判、提訴できる、提訴することが考えられるが、それについてはどう?
A いや、それは先ほど申しましたように、そこまで委員会が決定する話ではありませんので、わたくし個人の解釈としては、それは裁判所に出訴は可能であろうと。ただ、それはご承知のとおり、関与に関する訴訟は委員会の決定の取り消しを求める話ではないんですね。ではなくて、元の関与そのものについての不服の訴訟ということになりますので、そこはご理解ください。
Q 結果的に今回、地方自治法に適合しているか否か判断しなかったということは、沖縄県の申し入れについては、却下ないしは認めなかったということでよろしいわけですね。
A いや、認める、その違法であるという主張に対して、違法であるとも、違法でないとも答えていないということです。