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裁判より協議優先 係争委結論を受けての翁長知事の方針について(2)

 資料として、係争委の判断および係争委の結論を受けての翁長知事の記者会見を以下、記載する。


【係争委結論の抜粋】
 〇本審査申し出については、国土交通大臣が行った是正の指示が地方自治法第245条の7第1項の規定に適合するか否かについては判断せず、本件についての委員会の見解をもって審査の結論とすることを委員の全員一致で決定をいたしました。
 〇当委員会は、審査申し出人(現沖縄県知事)のおこなった(大浦湾の埋め立て)承認取り消しに対し、国土交通大臣によってなされた是正の指示が、地方自治法第245条の7第1項の規定に適合するか否かにつきまして、同法250条の14第2項にもとづいて、当事者双方から提出された主張書面や、証拠を踏まえて法的な観点から審査をおこなった。(約31時間)
 〇そもそも本件是正の指示は、普天間飛行場の代替施設の建設のための、埋め立ての承認出願、埋め立て承認、承認取り消し、それに対する審査請求、執行停止の申立および決定と、それにもとづく工事の着手、執行停止決定に対する複数の争訟提起、代執行訴訟、そこでの和解、とつづく一連の流れの延長線上にあり、本件是正の指示をめぐる争論の本質は、普天間飛行場代替施設の辺野古への建設という施策の是非に関する国と沖縄県の対立であると考えられる。
 〇国と沖縄県の両者は、普天間飛行場の返還が必要であることについては一致しているものの、それを実現するために国が進めようとしている辺野古沿岸域の埋め立てによる代替施設の建設については、その公益適合性に関し大きく立場をことにしている。両者の立場が対立するこの論点について、議論を深めるための共通の基盤づくりが不十分な状態のまま、一連の手続きが行われてきたことが、本件争論を含む国と沖縄県との間の紛争の本質的な要因であり、このままであれば紛争は今後も継続する可能性が高い。当委員会としては、本件是正の指示にまで立ち至っているこの一連の過程を、国と地方のあるべき関係から乖離しているものと考える。
 〇国と地方公共団体は、本来、適切な役割分担のもと、協力関係を築きながら、公益の維持・実現に努めるべきものであり、また国と地方の双方に関係する施策をめぐり、何が公益にかなった施策であるかについて双方の立場が対立するときは、両者が担う公益の最大化をめざして互いに十分協議し、調整すべきものである。地方自治法は、国と地方の関係を適切な役割分担および法による規律のもとで適正なものに保つという観点から、当委員会において国の関与の適否を判断するものとすることによって、国と地方のあるべき関係の構築に資することを予定しているものと解される。しかしながら、本件についてみると、国と沖縄県との間で議論を深めるための共通の基盤づくりが不十分な現在の状態のもとで、当委員会が本件是正の指示が地方自治法第245条の7第1項の規定に適合するか否かにつき、肯定または否定のいずれかの判断をしたとしても、それが国と地方のあるべき関係を両者間に構築することに資するとは考えられない。
 〇したがって、当委員会としては、本件是正の指示にまで立ち至った一連の過程は、国と地方のあるべき関係から見て望ましくないものであり、国と沖縄県は、普天間飛行場の返還という共通の目標の実現に向けて真摯に協議し、双方がそれぞれ納得できる結果を導き出す努力をすることが、問題の解決に向けての最善の道であるとの見解に到達した。