元海兵隊員が死体遺棄容疑で逮捕された事件について

 公開捜査がされていたうるま市の女性が行方不明になっていた事件で、沖縄県警が19日夜、元海兵隊員を死体遺棄容疑で逮捕したニュースが流れた。当初、事件の関与を否定していたが、女性が失踪した場所付近の防犯カメラの映像からこの容疑者が浮上し、県警が任意で事情聴取。同時に所有する車を提出させ、鑑識をおこなった結果、関与している手がかりがえられ、そこから供述を引き出し、遺体発見に至ったというのが捜査の経緯のようだ。髪の毛が出たのか。座席などに付着した汗でもDNAが分かることもあるらしいので、そのへんはうるま署が記者会見をすることで明らかになるのだろう。

 そういうこと以上に、知りたいのが、この容疑者が当日、何をしていたのか、基地の仕事と関係があってうるま市にいたのかどうかという点にある。

 整理すると、元海兵隊員は、与那原に住んでいるようだ。現在、嘉手納基地で軍属として働いている。そして、被害女性はうるま市に住んでいてウオーキングしていたところを襲われた。女性は午後8時ごろ外に出たというから、基地での仕事を終えた後、うるま市方面に足を延ばして、たまたま被害女性を見つけたということなのだろうか、それとも基地関係の仕事できていたのだろうか。

 もし、非番であれば、一人で来たのか、だれかと一緒にきていたのか、ということもでてくる。今年3月、那覇市内での米兵女性暴行事件が起こり、米軍は那覇市内での米兵の外泊を禁止した。軍属で基地外に住む今回事件の容疑者だからこの規制は直接には及ばないが、連れがいたのなら・・・。

 ひきつづき事件の解明に注目しつつも、いまの段階で言えることは、沖縄に基地があるからしょっちゅう事件が起こるということだ。今回は、オバマ大統領の広島訪問を控えてのタイミングだが、以前、うるま市沖での米軍機墜落事故が起きたときは、中谷防衛大臣が翁長知事と会談をおこなうため沖縄入りしたときだった。あのときの大臣のひきつった顔は今も覚えている。米軍高官がいくら再発防止、綱紀粛正といってもまた起こす、起こしてきたのである。日米政府は、この真実から目を背けてはならない。