安保法制施行の日に考えたこと(1)

 安保法制が施行された4月29日、豊見城中央公民館で安保法制の廃止を求める学習会が開かれた。

 いま、全国で安保法制廃止を求める2000万人署名が呼びかけられている。国会の中では戦争法廃止を求める法案が提出された。自民党は、国会審議は尽くされており、議論する必要はないと拒否している。参院選、場合によっては衆参同時選を前に、安倍内閣が進める「戦争する国づくり」の問題点を抉り出されては、選挙に響くと恐れたからだろう。

 学習会では、林千賀子弁護士が安保法制について概説しつつ、まとめ的に安保法制によって憲法が壊されると論じた。松崎暁史弁護士はCIAが関与しているターゲットキリングの法的問題点を発言した。それらは、安保法制が施行された現段階での非常に重要な論点であると思う。しかし、今回のブログでは割愛し、「命の雫裁判」を通してみた自衛隊の姿を告発した勝訴した島袋恵祐さんの発言に注目することとする。


 彼のプロフィールを2014年11月のブログ(「しまぶく恵祐」応援団ブログ「KSK2014☆いざ出陣!」)から引用しよう。
 
 島袋恵祐(しまぶく・けいすけ) 1986年(昭和61年)、 沖縄市高原生まれ。父・ 勉さん、母・律子さんの3人兄妹の次男。沖縄市立高原小学校卒業、沖縄市立美東中学校卒業、沖縄県立北中城高等学校卒業。2005年3月~06年12月陸上自衛隊
■兄の死と「命の雫」裁判
 私と双子の兄は18歳で自衛隊に入隊し、20歳の時、兄が帰らぬ人となりました。
その突然の死について、脳挫傷や多数の傷があったにも関わらず、詳しい調査もせず、1人の命を簡単に「格闘訓練中の事故」として片付ける国に対し、家族で起こした「命の雫」裁判は、たくさんの方々にご支援を頂き、2013年に国が責任を認める形で勝訴できました。しかし「秘密保護法」や「集団的自衛権」など、ますます国によって人権が脅かされようとしています。これ以上、兄のような犠牲者を出したくないと心から願っています。
■裁判でお世話になった方の「辺野古」での死
 沖縄県民の大多数が反対しているにも関わらず、辺野古の新基地建設計画は今も強行されており、沖縄県民の声に全く聞く耳を持たない日米両政府の姿勢は、もう我慢できません。そんな中で、去る(2014年)10月19日、辺野古の海で新基地に反対する船長が海難事故で亡くなりました。その方は「命の雫」裁判でも多大な支援を頂いた方でした。もし日米両政府が県民の声を真摯に受け止め、仲井真知事が新基地建設計画から撤退していれば、失わずに済んだ命です。許す事が出来ません。