沖縄戦訴訟控訴によせて(4)

 本日、(3月29日)、「沖縄戦」訴訟で、一審をたたかった79人の原告のうち66人が一審判決(請求棄却)を不服として福岡高裁那覇支部に控訴をおこなった。控訴状に書かれた控訴の趣旨は次のとおりである。
1 原判決(地裁判決)を取り消す。
2 主位的請求
(1) 被控訴人は控訴人ら各自に対して、別紙謝罪文を交付し、かつ同謝罪文を官報に掲載せよ 。
(2) 被控訴人は控訴人ら各自に対して、金11, 000, 000円及びこれに対する昭和20
年 8月15日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
(3) 訴訟費用は第一,二審を通じ被控訴人の負担とする。
との判決及び第2項につき仮執行の宣言を求める。
3 予備的請求(1)
(1) 被控訴人は控訴人ら各自に対して、別紙謝罪文を交付し、かつ同謝罪文を官報に掲載せよ 。
(2) 被控訴人は控訴人ら各自に対して、金11, 000, 000円及びこれに対する昭和22年 5月3日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え 。
(3) 訴訟費用は第一,二審を通じ被控訴人の負担とする 。
との判決及び第2項につき仮執行の宣言を求める。
4 予備的請求(2)
(1) 被控訴人は控訴人ら各自に対して、別紙謝罪文を交付し、かつ同謝罪文を官報に掲載せよ
(2) 被控訴人は控訴人ら各自に対して、金11, 000, 000円及びこれに対する本控訴状送達日の翌日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
(3) 訴訟費用は第一,二審を通じ被控訴人の負担とする。
との判決及び第2項につき仮執行の宣言を求める。

 記者会見で原告団長の野里千恵子さんは、「3年間かかって訴えてきたが、地裁判決は、わずか数秒で棄却された。66名が憤りを感じて控訴してくれた。亡くなられた人、体が動かないと自体するという人もいたが、ほとんどが賛同してくれた。国会議員の方でも立法運動をやってくださっていることを心強く感じる。民主主義国家といいながら、被害者を71年も放置した補償の在り方を見逃すわけにはいかない。みんな高齢になっているが、元気なうちにいい知らせを報告したい」と訴えられた。
 控訴した一人は、「判決を聞いた時は、頭が真っ白になった。裁判長は真剣に耳を傾けるような様子だった。だから、一人も認められないなんて考えもしなかった。首里に住んでいた。6歳のとき、南部に避難したが、艦砲射撃が激しく、命拾いした。国策でおこなった戦争だから、国は全員を救済すべきだ」と話されていた。