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沖縄戦訴訟控訴によせて(1)

 「沖縄戦」訴訟の原告約60人が福岡高裁那覇支部に控訴することを決めたとの連絡を関係者の方からいただいた。「全面的に請求棄却の不当判決を受け、原告らの非常に悔しい思いにより、控訴することになりました」。今月29日午後1時半に那覇地方裁判所前の公園に集合し、午後2時に訴状を提出するとのことです。
 原告のみなさんの多くは、70代、80代。ご高齢を押して一審をたたかわれた方々で、いかに無念だったか、心中お察しします。
 判決言い渡し(今月16日)は、ものの10秒。裁判長は、小声で「主文、原告の請求をいずれも棄却します」。原告の顔も見ず、ただ読み上げただけだった。
 原告も傍聴者も凍り付いたように固まったまま、「不当判決だ!」と声をあげることもできなかった。

 棄却の理由は、「国家無答責の法理」。
 明治憲法下では国家の行為によって国民が受けた損害を賠償するしくみはなく、それゆえ戦前・戦中の国民が受けた被害に対する責任を戦後の国家は負わないという論理。
法曹界では、こういう理屈が成り立つのだろうが、なぜ、この「法理」をこの裁判に適用することができるのか、さっぱり分からない。
 地上戦での言語に絶する受難のなかをかろうじて生き残り、戦後70年余の長きにわたり、精神的肉体的苦痛を背負い続けてきた方々の救済の訴えにたいして、あまりの仕打ちといわざるをえない。
 国のいいなりになって、国民の願い、沖縄県民の声を切り捨てるための道具立てを引っ張り出してくることを司法がやってよいものか。「民主主義ってなんだ」
 瑞慶山茂弁護団長は「最低の判決」と評したが、その通りだと思う。