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米兵女性暴行事件を考える(6)

 リバティー制度を緩和したことが女性暴行事件の遠因になったことは否めないであろう。そこに米軍上司の監督責任がある。
 くわえて、容疑者が事件を引き起こす要因がどこにあったのかということも問題となる。県議会軍特委では、容疑者は何時から飲み始め、ホテルには何時にもどったのかといった質問もなされたが、県警は、本人の証言と実際の行動について捜査中として明らかにしなかった。裁判段階では、当然、この点の解明がなされるに違いない。
横須賀の事件の場合、事件を起こした米兵は、キティ・ホークの甲板員で、空母に着艦する戦闘機が空母から飛び出さないようにワイヤーを張る任務だった。一歩間違えれば死に直面する任務であり、相当のストレスを抱えていたのだろうという指摘があった。さらに、この米兵は、任期を終えて本国に帰れるはずだったが、上司から延期を言い渡され、やけになっていた事情があったという。どんな事情があるにせよ凶悪事件を起こしたことは免罪されないが、そういう状態で基地の外で飲めばどんな問題が起きるか分からず、事件をある程度予期できたはずであるといえる。その点で、外出を許可した米軍上司に監督責任がある―これが、民事裁判での争点の一つとなった。地裁判決は米軍上司の監督責任は退けたが、今度、こういうことが起こったら監督責任を問われますよという裁判所の意志が感じられるものだった。
 もう一点気になるのが、なぜ米兵が基地の外に出て、沖縄の人々の生活の場に入り込むことができるのか、ということだ。他国から日本に来る場合、入国審査を受ける。しかし、米兵は入国審査を受けない。実は、この法的根拠を明確にすることは困難なのだという。
 米兵も休暇の日に、ショッピングやレジャーを楽しみたい、そのために基地の外にでるのはもっともである。しかし、それにはしかるべき前提がいる。入国審査もしくはそれに準ずる検査を受け、日本国内の法律、生活習慣に従うことを宣誓すべきだ。
沖縄の米軍事情についてはあまり知らないが、日本の民間業者が建てたマンションにも少なくない米軍人が住んでいる。たぶん、階級によってそういうことができる・できないということがあるのだろう。横須賀の事件では、起訴状では居住地はキティ・ホークとなっていた。
 横須賀では米兵が数人で市内のアパートの1室を借りるケースが見られるようになったという。基地外に住むことが認められている軍人の名義でアパートを借りるようで、一人では金が払えないから数人が金を出し合うのだという。
 今回の那覇での事件では、ホテルに宿泊していたから、この点については問題となっていないが、米兵が入国審査も受けずに市民の生活の場に入り込むことについて、検討が必要ではないか。