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熊谷組与瀬作業所の孫式恒さんの証言(12)

 ――作業所の労働や生活環境について話してください。

 (孫)住んだ家は、木造で、隙間だらけで、風が吹き込むようなところです。食べたものは豆でつくったビン(水で粉を溶いて焼いたもの)です。それから腐ったトウモロコシの粉を蒸したもの。コメの糠でつくったおかゆを食べました。おかずはありません。中国ではおかゆをたべるとき、漬物がつくのですが。おなかはすきっぱなしで、骨と皮だけのような体でした。立ち上がると目がくらむこともありました。

 ――1日12時間、2交代だったのですか。

 (孫)夏は2交代でしたが、冬は昼間だけでした。

 ――車は何人で押したのですか。

 (孫)2人です。

 ――日本の学生も与瀬に動員されました。彼らを見たことはありますか。

 (孫)見ていません。自由に出入りすることは許されておらず、仕事が終わるとすぐに寮に戻りましたから。

 ――日本の学生たちは、一つの車を5人くらいで押したそうです。孫さんたちは、2人で。食べ物も少ないのに。

 (孫)確かに2人です。そんなに大きくない車です。石を積んでいるときは下り坂ですから軽く感じます。石を下した後は、上り坂なので重いです。