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熊谷組與瀬作業所の就労顛末報告書(10)

三、配置状況

(一)移入后ノ就労ハ湛水ヲ控ヘタル砂利採取現場ニ重点ヲ置キ昼夜兼行ニテ砂利、砂ノ採取ニ労務ヲ集注湛水開始ニ到リテハ河原敷設ノ軌條、諸機械類、採取船ノ解体、撤収ニ就労。満水後ハ中●蓄積セル砂、砂利ノ運搬、撤収、機器ノ手入、格納ニ従事シ一部ハ沼本河原迄砂利採取ニ出張、又ハ木材ノ搬出等ニ就労。二〇年七月十三日松本ニ於ケル熊谷組事業場ニ残員二六〇名集団配置替ヲ実施ス。

(二)事業場受入状況 移入受入当初ハ主トシテ激務ヲ與ヘズ主トシテ事業場四囲ノ状勢ニ練●セシメ凡テ業務ニ従事セシメ徐々ニ導入ノ方針ヲ取リ四月一杯ノ主食量ノ如キハ他ノ月ト異ナリ特ニ懇願シテ受配ヲ乞ヒタル故小麥粉及米食ニシテ輸送直後ノ疲労快復並ニ食生活ノ順応性ヲ考慮特ニ中野警察署長ノ斡旋ニテ横浜ヨリ華人料理人ヲ委嘱二日間ノ公休休養ト共ニ栄養食ノ調理ヲ與フ。

規定ノ訓練ノ如キ事実上実施不可能ニシテ舎内日語訓練ノ外ハ華労自ラ元俘虜ノ軍隊生活者ナル関係上激務ノ余暇ヲ利用現場往復ノ途次ニ於テ実施時ニハ舎内広場ヲ利用シ指導員ノ訓練ニ対スル指示事項ヲ実施ス。

(三)中間異動 事故者二十八名中食糧不足周囲ノ情勢ヲ熟知セシタメ及内部ノ悪質者ノ煽動等ニ依リ七月十六日二名逃亡セシモ七月十七日逮捕。八月十九日四名逃亡セシモ八月二十日逮捕セラレ、連累者三名即日横浜外事課ニ引致取調ベラレ、悪質首謀者五名等十二月二十四日横浜ヨリ北海道地崎組ニ転出ス。

死亡者ハ皮膚病四名胃腸障害八名其ノ他九名公傷病ニ一名合計二十一名。他ノ一名ハ逃亡者連累者トシテ横浜ニ引致取調中、二〇年二月二日ノ空襲時ニ留置者仮釈放後行方不明トナル。