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相模湖の中国人強制連行(17)

 朱文斌が「秘密裏の抵抗闘争」として挙げているのが、トロッコをひっくり返して作業を中断させることでした。

 「採掘した石を車に積み込むため、山の上に引っ張りあげた。山頂には1台の機械があって、石を大きさによって分け、1本のレールに沿って運んで下りてくる。上から下へ運ぶ時、9台の車をねじで固定し、つなげるが、そのねじをしめないか、ゆるくしめたるかした。いったん下ろしたら、数台の車は野生のウマのごとく勢いに乗ってかけ下りていくが、ぶつかりあって、大きな音をたてて竜のごとく跳ね上がり、うなりをあげながら山の下まで落ちていく。山のふもとにいた人は仕事の手を止め、この光景にいっせいに歓声を上げた」

   與瀬でのことでしょうか。それとも松本でのことでしょうか。これで半日は、作業が中断したといいます。電線を切断したり、トロッコのレールのうえに鉄の棒を置くこともしていたといいます。作業場から逃走したり、作業用の機械を壊して生産を妨害するといった「抵抗」は、全国135事業所のうち、多くの強制労働現場で起きています。