日韓局長級協議で慰安婦問題や徴用工問題が取り上げられるというが

 15日に東京で開かれる日韓局長級協議で、慰安婦問題や徴用工問題が取り上げられると外務省が発表した。4月16日にソウルで行われた初会合では、韓国側の要望に沿い慰安婦問題にテーマを絞っての議論だった。

<今回の協議で日本側は、太平洋戦争中に徴用された韓国人労働者らが日本企業を訴えた韓国の裁判で損害賠償を命じる判決が続いていることを取り上げ、請求権の問題は1965年の「日韓請求権・経済協力協定」ですでに解決済みだとして、韓国国内の問題として対応するよう求める考えです。これに対し韓国側は、前回に続いて従軍慰安婦の問題を協議したいという意向を示しているということで、日韓両政府は日程や議題の調整を進めています。>(5月13日、NHKオンライン)

“日韓請求権・経済協力協定ですでに解決済みだから韓国政府は、冷静な対応を”と日本政府は韓国政府に協議で求めるということだろうか。しかし、日本政府にそう主張できるだけの足場がきちんとあるだろうか。請求権放棄に関する日本の見解は、国際的に見て通用するものかどうか、その点も見ておかなくてはならないのではないか。

たとえば、1991827日、参院予算委員会での外務省条約局長答弁であるが、「日韓両国間において存在しておりましたそれぞれの国民の請求権を含めて解決したということでございますが、これは日韓両国が国家として持っております外交保護権を相互に放棄したということでございます。したがいまして、個人の請求権そのものを国内法的な意味で消滅させたというものではございません」という見解を述べている。この見解は、その後、放棄されたのだろうか。