愛知における強制連行問題の取り組み(13)

王連喬さんの証言のつづき

私は、事務所の雑務をしておりました。事務所やふろ場や食堂の掃除などをしていたのです。食事を食堂から運ぶ仕事もしていました。食堂の炊事員の人たちはみな日本人だったのですが、仲良くなったりして残ったお焦げを私にもたせてくれたりしました。いつも自分から「このお焦げをもらっていいですか」と聞いていたのですが、「腹をすかせた友人がいる」と言ったらもたせてくれました。茶碗一杯の白飯をお焦げの中に包んで私のポケットに押し込んでくれることや白菜で白飯を包んでくれることもありました。

日本人が読んでいた新聞をしょっちゅう(中国隊の指導部に)持っていきましたよ。「読んで分かるのか?」なんて聞かれましたけど、「漢字がありますから」と答えました。

通訳をしていたのは、周旭先です。彼が私たちに通訳をする時、その声の高さや低さなども通訳しました。彼の背景には日本の会社の人がいました。でも、私たちが一番憎んでいたのは、私たちの中国語でいう“高麗棒子" ですが、朝鮮人通訳でしたよ。人を殴っていたからです。それに罵るのもひどかった。通訳する時も日本人と同じ態度で私たちに接したのですよ。彼は中国人を憎んでいました。