米機による平岸中国人寮への救援物資投下(10)

1年後に再びIさんにお会いすることになったが、Iさんは、あのときの私の質問を気にかけられていたようで、「あれからいろいろ考えましたが、やはりPOWだったと思います」と話された。勉強不足でたいへん申し訳ない質問をしたものでした。そのことがあって、Iさんの証言の確かさを強く思った。

Iさんは、平岸で強制労働をさせられた中国人たちとの交流もあったようで、「何回か中国人の宿舎に連れて行ってもらった。おとなが行くことはできなかったが、私は子どもだったので連れて行ってもらったのだろう。なかに行くと幹部のような人がいて、その人は中国に私と同じ年頃の子どもがいると言っていた」「来来了という言葉を教えてもらった。ガム、チョコレート、オレンジジュースの粉末をもらった。水に溶かすことを知らなかったので、なめたらすっぱかったことを覚えている」と語られた。