米機による平岸中国人寮への救援物資投下(9)

  B-29部隊による平岸中国人寮への救援物資投下は、地元の人たちが目撃している。

  平岸在住のIさんは、自宅から中国人寮が見えたという。米軍機の物資投下があったときは自宅にいた。

  「何か飛行機が来るから避難しなさいと言われ、自宅の2階から見ていた。グラマンが来て、そのあと双発の爆撃機が茂尻の方から低空になって物資を落としていった。姉は油化に勤めていて、ライトが6つ見えた、物資を1回に5、6個ずつ、3回落して行ったのではないかと言っていた。私は、2階から見ていて、すべてが見えたわけではないが、どこかの屋根に落ちたような感じだった」

 

   

 Iさんは、「宿舎の屋根にPOWと書いていたのを記憶している」とも語った。

  私は、米軍が投下する目印として、収容所の屋根に「PW」と書いたということは知っていたが「POW」と書いた例もあったことは知らなかったので、疑うように、「Oという文字はPWと同じくらいの大きさでしたか」などと聞いた。Iさんは、少し考えるようだったが、「記憶ではPOWだったと思います」とのことだった。

 

その後、『捕虜収容所補給作戦 B29-部隊最後の作戦』を見ていて、POWと書いた収容所があったことを知った。