地崎東川の個人別給与精算表(5)

1220日に一般期間が始まったとして、魏振川の労働日数201日に、休日・天候による休業日数を加えた日数を以って給与精算表が作成された日と推定するが、地崎東川の日誌(5月9日まで存在する)を見ると、悪天候および検診、正月休みによる休業が21日あった。したがって7月中旬以降に作成されたと推定した。59日以降の休業については日誌がないからいたしかたないが、その期間の休業も考慮すれば、7月下旬とすることができるかもしれない。

他方、地崎組労務部が上砂川出張所にあてた「華人労務者関係補助申請に関する件」という文書(812日付)を見ると、「大蔵省に対し国庫補助申請の手続きを致すことに決定し候」として、「日給五円を支給せる月より七月末日まで」の月別総稼働人員などの報告書を作成するよう指示している。この指示は上砂川だけにだされたものではないであろうから、東川の給与精算表の作成時期を7月下旬と推測したことは的外れではない。

この作成日からいえることは、東川の給与精算表は、国庫補助申請のために作成されたということである。給与支払いのための精算であれば、毎月作成された精算表があってしかるべきであるが(事業場報告書では中国人に閲覧させたといっている)、その資料ははたして存在するであろうか。